『だがしかし』は、実在する駄菓子が実名で次々と登場する唯一無二の漫画です。
作者コトヤマ先生が各メーカーから許可を得て描いた駄菓子は、全11巻でなんと153種類にのぼります。
「あの巻に出てきた駄菓子は何だっけ?」「全部で何種類登場したの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、全11巻に登場する駄菓子153種類を巻別・表形式で完全網羅しました。
商品名だけでなく、メーカー名やカテゴリも併記しているので、気になった駄菓子を探す際の参考にしてみてください。
『だがしかし』とは?
『だがしかし』は、コトヤマ先生による駄菓子コメディ漫画です。
週刊少年サンデー(小学館)にて2014年から2018年まで連載され、単行本は全11巻・全186話で完結しました。
物語の主人公は、田舎の駄菓子屋「シカダ駄菓子」の息子・鹿田ココノツ。
漫画家を目指すココノツのもとに、大手お菓子メーカー「枝垂カンパニー」の社長令嬢にして生粋の駄菓子マニア・枝垂ほたるがやって来るところから物語が始まります。
ほたるは枝垂カンパニーが新たに展開する駄菓子屋の店長としてココノツの父・鹿田ヨウ(シカダ駄菓子八代目店主)を迎えるため、まずは息子のココノツに家業を継ぐ気にさせようと、駄菓子の魅力をマニアックに熱弁していきます。
テレビアニメは第1期が2016年、第2期「だがしかし2」が2018年に放送されました。
本作最大の特徴は、すべての駄菓子が各メーカーの許可を得て実名で登場すること。
駄菓子のうんちくや楽しみ方をコミカルに紹介するスタイルで、多くの読者の駄菓子への関心を再燃させました。
第1巻の登場駄菓子一覧(17種類)
第1巻(2014年9月発売)は、漫画家志望の高校1年生・鹿田ココノツのもとに、駄菓子マニアの美少女・枝垂ほたるがやって来るところから物語が始まる導入巻です。
ほたるは家業のシカダ駄菓子を継がせようと、駄菓子の魅力をマニアックに熱弁。
うまい棒やブタメンといった誰もが知る王道駄菓子が数多く登場し、ほたるの強烈なキャラクターと膨大な駄菓子知識が炸裂する、シリーズの原点ともいえる巻となっています。
第2巻の登場駄菓子一覧(20種類)
第2巻(2015年3月発売)は全巻中最多の20種類が登場する巻。
「粉末ジュースを全部混ぜたらどうなるのか?」「うまい棒で最高の組み合わせを作る勝負」など、ほたるの奇抜な発想とマニアックな駄菓子知識が次々と炸裂します。
ねるねるねるねやヤンヤンつけボーなど「自分で作る・遊べる系」の駄菓子が増えるのが特徴的で、第1巻で確立された「ほたるの暴走→駄菓子トリビア→ココノツのツッコミ」という基本フォーマットが、より安定して回り始める巻ともいえるでしょう。
第3巻の登場駄菓子一覧(18種類)
第3巻(2015年10月発売)は、ベビースターラーメンやグリコ、サクマ式ドロップスといった日本のお菓子の歴史を代表するロングセラー商品が目立ちます。
なお、この巻に登場する梅ジャムやサクマ式ドロップスは、その後製造終了となった駄菓子でもあります。
物語面では、巻の終盤に描かれる夏祭りエピソードが最大の見どころ。
ココノツ・ほたる・幼馴染の遠藤サヤの三人の関係が初めて揺れ動き、サヤのココノツへの想いがそっと浮かび上がる、ラブコメ要素が本格的に加わった転換点ともいえる巻です。
第4巻の登場駄菓子一覧(17種類)
第4巻(2015年12月発売)には、森永ラムネや森永ミルクキャラメル、パインアメなど大手メーカーのロングセラー商品が多く登場します。
一方で、ようかいけむりやソフトグライダーといった玩具系の商品も織り交ぜられ、駄菓子屋の品揃えの幅広さを感じられる巻です。
物語面では、第3巻の夏祭りの余韻を残しつつ、夏休み終盤の物語が展開。
「二日酔いに効く駄菓子は?」「怖い話ガムでの肝試し」など、駄菓子そのものの魅力を語るエピソードと、ココノツ・ほたる・サヤの関係性を掘り下げるシーンが共存する内容となっています。
第5巻の登場駄菓子一覧(16種類)
第5巻(2016年5月発売)は、ブラックサンダーやシゲキックスなど現在もコンビニで見かける人気商品が多い巻です。
また、ベーゴマやポンポン船といった昔ながらの玩具も登場し、駄菓子屋が「お菓子だけの店ではない」ことを改めて感じさせてくれます。
物語面の見どころは、巻の後半に収録された「シカダ駄菓子でお泊まり」エピソード。
ほたる・ココノツ・サヤ・サヤの弟・豆を含めた仲間たちが初めて一堂に会することで、人間関係に新たな深みが生まれる印象的な回となっています。
第6巻の登場駄菓子一覧(12種類)
第6巻(2016年10月発売)から駄菓子の登場数が減少し始めます。
物語の比重が駄菓子紹介から人間ドラマへと移行し始めたことを感じさせる巻で、夏祭りや花火大会を舞台に、ほたるとココノツの関係に変化が訪れる印象的なシーンが描かれます。
これまで「ひと夏の物語」という雰囲気に包まれていた二人の関係が、一段階先へと動き出すことを予感させる、青春ラブコメ色がぐっと強まるシリーズ屈指の感情豊かな巻です。
第7巻の登場駄菓子一覧(8種類)
第7巻(2017年3月発売)は全11巻中最少の8種類しか駄菓子が登場しない巻です。
ほたるの突然の失踪というストーリー上の大きな転換点を迎え、物語が駄菓子コメディからシリアスな展開へと舵を切ったことが、登場数にも如実に表れています。
コンビニ「タウンマート」店長の紅豊(べにとよ)と、シカダ駄菓子に関わることになる尾張ハジメという新キャラクターも登場し、シカダ駄菓子をめぐる新たな環境変化のなかで、シリーズ後半への布石となる重要な巻となっています。
第8巻の登場駄菓子一覧(10種類)
第8巻(2017年8月発売)では、スニッカーズやミルキーなど一般的な菓子メーカーの商品も登場し始めます。
純粋な「駄菓子」の枠を超えた商品が増えるのは、物語の舞台が少しずつ広がっていることの表れともいえるでしょう。
物語面では、前巻で姿を消していた枝垂ほたるが本格的に復帰し、紅豊・尾張ハジメといった新キャラクターたちと旧来メンバーが合流。
シリーズ後半の新体制が動き出す賑やかな巻となっています。
第9巻の登場駄菓子一覧(13種類)
第9巻(2017年12月発売)の目玉は、きのこの山・たけのこの里・パイの実・きこりの切株が一挙に登場する回でしょう。
いわゆる「きのたけ戦争」をテーマにしたエピソードは、多くの読者の共感を呼びました。
また、キャンディケインなどクリスマスを意識した季節感のある駄菓子も登場します。
シリーズ初の本格的な冬休み編として、お年玉をテーマにしたエピソードや、新キャラクター・尾張ハジメがYouTuberに挑戦するコミカルな回、ココノツとサヤの距離が縮まるデート回など、新旧キャラクターたちの賑やかな日常が描かれる巻でもあります。
第10巻の登場駄菓子一覧(11種類)
第10巻(2018年2月発売)では、あずきバーやコーンポタージュなどコンビニでもおなじみの商品が登場します。
ハンドスピナーのような当時の流行アイテムも取り入れられており、連載時期のトレンドを反映した巻です。
物語面では、最終巻に向けて一気に動き出す「佳境」の巻。
ほたるとサヤがついに恋について語り合う長年の伏線回収シーンや、ハジメさんがココノツに手料理を作るエピソードなど、これまで丁寧に積み重ねられてきたキャラクター同士の感情が随所で表面化する重要な内容となっています。
第11巻の登場駄菓子一覧(6種類)
最終巻となる第11巻(2018年5月発売)は6種類と控えめ。
物語のクライマックスに集中する構成のため駄菓子の登場頻度は減っていますが、アポロやジューCといった長年愛される商品が締めくくりを飾っています。
ココノツの進路、シカダ駄菓子の跡継ぎ問題、ほたるとの別れ、サヤとの関係に明確な決着がつく完結巻で、第1巻に登場した「ヤングドーナツ」と「うまい棒」が再び登場する円環構造も大きな見どころ。
シリーズの始まりと終わりが駄菓子で結ばれる、感動的な締めくくりとなっています。
| 商品名 | メーカー | カテゴリ | 備考 | |
|---|---|---|---|---|
| ジューC | カバヤ食品 | タブレット | フルーツ味のタブレット菓子 | |
| きびだんご | 天狗堂宝船 | 和菓子系 | 北海道銘菓としても知られるきびだんご | |
| アポロ | 明治 | チョコレート | いちご味の三角形チョコ。 1969年発売のロングセラー | |
| – | フラフープ | ― | 玩具 | 腰で回す輪っかの玩具 |
| – | シマダのフルーツラムネ菓子 | シマダ | ラムネ | フルーツ味のラムネ菓子 |
| – | いちばんキになっとう | チョコレートスタジアム | 知育菓子 | 納豆風の知育菓子 |
駄菓子の登場数で読み解く『だがしかし』の物語構造
ここで、全11巻の駄菓子登場数を俯瞰してみましょう。
| 巻数 | 登場数 | 時期 |
|---|---|---|
| 第1巻 | 17種類 | 連載初期 |
| 第2巻 | 20種類 | 連載初期 |
| 第3巻 | 18種類 | 連載初期 |
| 第4巻 | 17種類 | 連載初期 |
| 第5巻 | 16種類 | 連載初期 |
| 第6巻 | 12種類 | 中盤 |
| 第7巻 | 8種類 | 中盤 |
| 第8巻 | 11種類 | 中盤 |
| 第9巻 | 13種類 | 終盤 |
| 第10巻 | 11種類 | 終盤 |
| 第11巻 | 6種類 | 終盤 |
第1巻〜第5巻の平均は17.6種類。
まさに「駄菓子紹介コメディ」の全盛期です。
1話につき1つ以上の駄菓子が登場し、ほたるが情熱的にうんちくを語るスタイルが確立されていました。
第6巻〜第8巻になると平均は10.3種類に減少。
第6巻で尾張ハジメが登場し、第7巻でほたるが姿を消すという大きなストーリー展開があり、作品の重心が「駄菓子の紹介」から「人間関係のドラマ」へと移っていったことが数字にも表れています。
第9巻〜第11巻も平均は10.0種類(最終巻の6種類が平均を下げている)。
物語が収束に向かう中でも駄菓子は登場し続けますが、その役割は「紹介」から「物語を彩る小道具」へと変化しています。
つまり、駄菓子の登場密度は、作品がコメディからドラマへと成熟していく過程を映す鏡だったといえます。
駄菓子の数が減ったのは決してネタ切れではなく、物語がそれだけ深みを増していった証拠なのではないでしょうか。
もう買えない駄菓子たち ― 廃盤・製造終了になった作中登場駄菓子
『だがしかし』に登場した153種類の駄菓子のうち、いくつかは2026年現在、残念ながら入手が困難になっています。
サクマ式ドロップス(第3巻)
佐久間製菓が製造していた缶入りフルーツドロップスの代名詞。
1908年から100年以上の歴史を持ちましたが、原材料の高騰などの影響で2023年1月に佐久間製菓が廃業し、製造終了となりました。
なお、「サクマドロップス」(サクマ製菓/現:サクマ)は別会社の製品で、こちらは引き続き販売されています。
梅ジャム(第3巻)
梅の花本舗の創業者がひとりで製造していた梅ジャム。
高齢による体力の限界から、2017年に製造終了が発表されました。
せんべいに塗って食べるスタイルは駄菓子屋ならではの文化でした。
その他の生産状況が変化した駄菓子
このほかにも、メーカーの統廃合やリニューアルによって、作中に登場した当時のパッケージとは異なる形で販売されている商品もあります。
駄菓子業界は小規模なメーカーが多いため、今後も製造終了となる商品が出てくる可能性があります。
作中で描かれた駄菓子は、漫画の中で永遠にその姿を留めています。
『だがしかし』は、駄菓子文化を記録するアーカイブとしての側面も持っているのです。
まとめ
『だがしかし』全11巻に登場する駄菓子153種類を巻別に一覧でまとめました。
改めて振り返ると、うまい棒やブタメンといった定番中の定番から、カタヌキやベーゴマのような昔遊び、さらにはねるねるねるねのような知育菓子まで、駄菓子の世界がいかに広いかを実感させてくれます。
序盤は1話1駄菓子のペースで次々と紹介されていた駄菓子も、物語が進むにつれて登場頻度が変化していきました。
それはこの作品が、単なる駄菓子紹介漫画にとどまらず、キャラクターたちの成長を描いた物語でもあったことを意味しています。
この記事を読んで気になった駄菓子があれば、ぜひ実際に手に取ってみてください。
近所の駄菓子屋はもちろん、スーパーやコンビニ、通販でも多くの駄菓子が手に入ります。
漫画を片手に食べてみると、また違った楽しみ方ができるかもしれません。










