漫画『おとりよせ王子 飯田好実』の第5巻には、第42便から第50便まで全10品のお取り寄せグルメが登場します。
千葉の水郷どりを丸ごと串に刺した「世界初のフルコース焼き鳥」に始まり、土佐の一本釣り鰹の塩たたき、沖縄のペルー仕込みローストチキン、そして1200年の歴史を持つ比叡ゆば、日本各地の「食の物語」を巡る旅のような一冊です。
第5巻の特徴は、「食文化のルーツ」に迫る商品が揃っていること。
ペルーから沖縄に渡ったチキン丸焼き、最澄が中国から比叡山に伝えたゆば、過疎の村から生まれたにゅうめん。
一つ一つの商品の背景には、国境や時代を超えた「食の旅路」が刻まれています。
この記事では、第5巻に登場する全10商品について、作中での登場シーン・商品の背景にあるストーリー・購入方法まで徹底的に解説していきます。
※本記事に記載の価格は2026年4月時点の情報です。
価格は変動する可能性がありますので、購入の際は各店舗の公式サイト等で最新情報をご確認ください。
『おとりよせ王子 飯田好実』第5巻の基本情報と紹介商品一覧
作品紹介と第5巻のあらすじ
『おとりよせ王子 飯田好実』は、高瀬志帆先生による漫画作品で、月刊コミックゼノン(徳間書店)にて2011年から2016年まで連載されました。
単行本は全7巻で完結しています。
主人公の飯田好実(いいだ よしみ)は26歳のシステムエンジニア。
職場では無口で目立たない存在ですが、お取り寄せグルメに対する情熱と知識は並外れています。
毎週水曜日、仕事を終えた飯田くんを待っているのは、自ら厳選したお取り寄せの逸品。
その商品を前にした至福の表情が、この作品最大の魅力です。
第5巻には第42便から第50便までが収録されており、千葉の水郷どりから島根のしじみ醤油まで、日本各地に根付く食文化の奥深さを感じさせるラインナップとなっています。
第50便ではやまだのソースとしじみ醤油の2品が同時に紹介される贅沢なエピソードもあります。
第5巻に登場するお取り寄せ商品一覧表
第5巻に登場する全10商品を一覧にまとめました。
第50便では2品が同時に紹介されるため、全9便・10商品の構成です。
第5巻の紹介商品を徹底解説
第42便|水郷どり丸ごと一本(水郷のとりやさん/千葉県香取市)
第5巻の幕開けを飾るのは、「世界初のフルコース焼き鳥」とも呼ばれる「水郷どり丸ごと一本」。
鶏一羽のさまざまな部位、もも、手羽先、ぼんじり、皮、軟骨などを一本の串に刺し、異なる食感と味わいを一度に楽しめるという画期的な焼き鳥です。
製造元の須田本店は大正10年(1921年)創業、4代目が営む老舗の鶏肉専門店。
水と緑豊かな水郷地域の広い鶏舎で、日光を浴びながらのびのびと育てられた「水郷どり」を、「朝引き朝どり」のこだわりで新鮮なまま加工しています。
TBS「マツコの知らない世界」(2022年)をはじめ、多数のテレビ番組で紹介され、楽天ランキング1位を獲得した実績も。
2001年からインターネット通販を開始しており、100年以上続く老舗の味を全国に届けています。
購入方法:水郷のとりやさん公式サイト、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング
第43便|厳選とろ鰹塩たたき(祢保希・司/高知県高知市)
第43便は、高知の老舗土佐料理店「土佐料理 司」が手がける「厳選とろ鰹塩たたき」。
大正6年(1917年)創業、高知の郷土料理を「土佐料理」と名付けたのは2代目社長の竹内和夫氏というほどの名門が送り出す逸品です。
この塩たたきの最大の特徴は、鰹の仕入れにあります。
一般流通を通さず、一本釣りした新鮮な鰹を、特殊冷凍設備を持つ船から一船買い。
魚体4kg前後で身質がしっかりし、脂の乗った鰹だけを選び抜いた「厳選とろ鰹」のみを使用しています。
味付けには室戸沖、水深374mから汲み上げた「室戸海洋深層水塩」を使用。
焼きたての温かいたたきに塩をふり豪快にいただく、土佐ならではの食べ方が楽しめます。
テレビ東京「カンブリア宮殿」にも出演した実力店で、龍馬鍋では農林水産大臣賞も受賞。
現在は3代目社長のもと、高知・大阪・東京に12店舗を展開しています。
購入方法:土佐料理司公式通販サイト、Amazon ※時期により休売あり
第44便|桜葉ハンバーグ”富士山”(アサイミート/静岡県松崎町)
第44便は、伊豆・松崎町の老舗精肉店「アサイミート」が作る「桜葉ハンバーグ”富士山”」。
昭和8年(1933年)創業の精肉店が、地元の特産品を活かして生み出したユニークな一品です。
松崎町は桜葉の塩漬け生産量日本一の町。
その地元食材を活かし、えごま豚100%のハンバーグに桜葉の塩漬けの香りと味をマッチさせました。
さらに、松崎町が「世界で一番美しく富士山が見える町」として知られることにちなみ、富士山型に成形するという遊び心も。
桜葉のほのかな香りと豚肉の旨みが融合した、伊豆でしか生まれ得ない味わいです。
三代目店主が「川のりコロッケ」「桜葉豚みそ漬け」など地域食材を活かした商品を多数開発しており、令和2年度「ふじのくに魅力ある個店」優秀賞を受賞しています。
購入方法:アサイミート店頭、電話注文(0558-42-0298)※通販は要問い合わせ
第45便|ほたての卵のおかず味噌(早野商店/岩手県岩泉町)
第45便は、岩手県岩泉町の「早野商店」が作る「ほたての卵のおかず味噌」。
龍泉洞で知られる岩泉町から届く、三陸の恵みが詰まった万能おかずです。
国産ほたての卵をたっぷり使い、ほんのり辛い味付けに仕上げたこの商品は、発売以来同社一番の人気商品。
ご飯のおかずとしてはもちろん、焼き肉の薬味、豆腐やおでんの付け合わせ、麺類のアクセントとしても活躍する万能さが支持されています。
経営者の早野由紀子・貴志ご夫妻は「身体に優しい食品作り」を理念に掲げ、合成着色料・保存料・化学調味料は一切不使用。
2014年にはBRUTUS「日本一のお取り寄せ」に掲載され、味部門バイヤーが選ぶ第1位を獲得するという快挙を成し遂げました。
無印良品でも取り扱われている実力商品です。
第46便|燻し鯖鮓(吾左衛門鮓・米吾/鳥取県米子市)
第46便は、山陰を代表する名物駅弁として70年以上のロングセラーを誇る「吾左衛門鮓(ござえもんずし)」の燻製バージョン「燻し鯖鮓」。
明治35年(1902年)創業の株式会社米吾が手がける逸品です。
そのルーツは江戸時代にまで遡ります。
米子の米屋・廻船問屋「米屋五左衛門」の妻が、日本海の荒波に出る船子たちのために、酢飯に酢で締めた鯖をのせてワカメで巻き竹皮で包んだ弁当を作ったのが始まり。
昭和54年に十三代目がこの伝統に着想を得て、4年かけて現代の吾左衛門鮓を完成させました。
独自の特許製法「熟成解凍」も注目ポイント。
製造直後にマイナス60度で急速凍結し、出荷直前に7時間かけて解凍することで、昆布と鯖とご飯が三位一体となり、鯖の生臭さがなくなりご飯はまろやかに。
この技術から生まれた燻し鯖鮓は、オリーブオイルと特製ペッパーで食べるという洋風のスタイルが特徴で、伝統と革新が見事に融合しています。
購入方法:米吾公式サイト、Yahoo!ショッピング ※販売状況は要確認
第47便|喜養麺(坂利製麺所/奈良県東吉野村)
第47便は、奈良県の山里から届くフリーズドライにゅうめん「喜養麺(きようめん)」。
国産小麦100%の手延べそうめんをフリーズドライにした、熱湯3分で本格にゅうめんが楽しめる画期的な商品です。
坂利製麺所の創業は1984年。
過疎化が進む奈良県東吉野村の雇用創出のために始まった製麺事業が原点です。
創業者の坂口良子氏は三輪そうめん発祥の地で修行を積み、「自分の子供に自信を持って食べさせられる素麺」をモットーに、国産小麦100%使用・有機JAS認証取得という高い品質基準を確立しました。
喜養麺は2003年に開発されたロングセラー商品。
昆布・かつおをベースにあご粉末を加えた和風だしに、お揚げ、えび、ねぎ、わかめ、椎茸の具材が入り、ノンフライでヘルシー。
常温保管可能で賞味期限7ヶ月と備蓄食としても優秀です。
過疎の村から生まれた、手軽なのに本物の味。
飯田くんがこの商品を選んだ理由がよくわかる逸品です。
購入方法:坂利製麺所公式オンラインショップ、BASE出張所、Amazon
第48便|ローストチキン(こっころこ/沖縄県沖縄市)
第48便は、沖縄で60年以上の歴史を持つチキン丸焼き専門店「こっころこ」(旧・コッコロコハウス)のガーリックチキン丸焼き。
ペルーから沖縄に渡った「食の旅路」を体現する一品です。
1962年頃、移民先のペルーから帰沖した初代・比嘉良治氏が「コッコーローコーハウス」を創業。
南米ペルーのソウルフードであるチキンの丸焼きを沖縄県民好みに改良したのが始まりです。
2代目が特製の焼き窯を考案し、3代目の現代表が国産若鶏・沖縄の島マース(塩)・泡盛など素材のこだわりをさらに深めました。
ビネガーたっぷりのマリネ液に漬け込み、にんにくをたっぷり使い、特製焼き窯で約2時間じっくり焼き上げる秘伝のレシピは三代にわたって受け継がれています。
2017年に泡瀬に移転リニューアルし、店名も「こっころこ」に変更。
沖縄で現存する最も古いチキン丸焼き専門店として、地元で深く愛され続けています。
購入方法:こっころこ公式サイト、沖縄CLIPマルシェ
第49便|比叡ゆばセット(比叡ゆば本舗ゆば八/滋賀県大津市)
第49便は、約1200年の歴史を持つ「比叡ゆば」の伝統を受け継ぐ「比叡ゆば本舗ゆば八」の生ゆばセット。
比叡山延暦寺御用達の湯葉専門店が届ける、格式と味わいを兼ね備えた逸品です。
比叡ゆばの歴史は、伝教大師最澄が中国からゆばを比叡山に伝えたことに始まります。
厳しい修行に励む僧侶たちの重要な栄養源として受け継がれてきたゆばの文化は、坂本に残る「山の坊さん 何喰て暮らす ゆばのつけ焼き 定心房」という里歌にも詠まれています。
ゆば八は昭和15年(1940年)創業。
滋賀県産大豆100%を使用し、「大豆・水・心・技」の4要素を大切にした製法で作られるゆばは、近江の大豆のやさしい甘みと絶妙な歯ごたえが特徴です。
前日から水に浸した大豆をすりつぶし、豆乳を温めてゆばをすくい上げる一日がかりの工程は、「ゆばは生き物」として天候・温度・湿度の変化に熟練の勘で対応する職人技そのもの。
2014年には守山工場がゆば工場として世界初のFSSC22000認証を取得、2016年には世界初のハラール認証も取得。
農林水産大臣賞受賞の実力に裏付けられた品質は、お取り寄せで味わっても十分にその価値を実感できるでしょう。
購入方法:ゆば八公式オンラインショップ、高島屋オンラインストア、久世福e商店
第50便|やまだのソース&しじみ醤油(山田村特産加工組合×井ゲタ醤油/富山×島根)
第5巻のラストを飾る第50便は、2品同時紹介という贅沢なエピソード。
富山の「やまだのソース」と島根の「しじみ醤油」、いずれも地域の風土が生んだ調味料です。
やまだのソース(山田村特産加工組合/富山市)
「やまだのソース」は、富山県山田村(現・富山市山田地域)に代々伝わる柿酢を使用したソース。
柿酢にトマト、りんご、玉ねぎ、にんにく、本みりんなど天然素材を組み合わせた味わいは、甘さと辛さ、そして酸味が絶妙なバランス。
オムライス、カレー、コロッケ、ハンバーグと、あらゆる料理に合う万能ソースです。
2005年に富山市に合併された旧山田村で、地元産の柿を発酵させて柿酢を作る伝統を活かして商品化されました。
「柿酢だし醤油」「柿酢ごまだれ」など柿酢シリーズ5種類が展開されています。
購入方法:地場もん屋総本店(富山市)等 ※オンライン通販は限定的
しじみ醤油(井ゲタ醤油/島根県出雲市)
「しじみ醤油」は、大正元年(1912年)創業の井ゲタ醤油が、長期熟成させた丸大豆醤油に宍道湖産の大和しじみのだしを合わせた醤油。
島根の名水100選・浜山湧水群の湧水を使って醸造されています。
かけ醤油としてそのまま使えるのはもちろん、加熱するとしじみの香りが引き立ち風味がさらに濃厚に。
お吸い物、炊き込みご飯、煮物、鍋物と幅広く活躍します。
「井ゲタ」というブランド名には、「永遠に湧き出る井戸水のように永久に繁栄するように」という想いが込められています。
現在76種類もの醤油・醤油加工品を製造する同社の中でも、しじみ醤油は代表的なヒット商品です。
購入方法:井ゲタ醤油公式サイト・オンラインストア、Amazon、ふるさと納税(島根県出雲市)
第5巻に見る飯田好実の「食のルーツを辿る旅」
ペルーから沖縄、中国から比叡山、国境を超える「食の物語」
第5巻で最も印象的なのは、食文化の「ルーツ」を持つ商品が並ぶことです。
- こっころこ:ペルーから帰沖した移民が持ち帰ったチキン丸焼き文化
- 比叡ゆば:約1200年前に最澄が中国から比叡山に伝えたゆばの伝統
- 吾左衛門鮓:江戸時代の廻船問屋の妻が船子のために作った弁当が起源
一つの料理が国や時代を超えて旅をし、その土地に根付いて独自の進化を遂げる。
飯田くんのお取り寄せは、そうした「食の旅路」を追体験する行為でもあるのです。
ペルーのチキン丸焼きが沖縄の島マースと泡盛で味付けされた時、それはもうペルー料理ではなく「沖縄の味」になっている。
中国から伝わったゆばが近江の大豆で作られた時、それは「比叡ゆば」という唯一無二のものになっている。
食文化とは常に旅をし、変容し、新しい土地に根を下ろしていくものだということを、第5巻は教えてくれます。
過疎の村と名門老舗、「規模」ではなく「志」で選ぶ
第5巻の商品を作り手の「規模」で見ると、興味深い対比が浮かび上がります。
一方には、大正6年創業で12店舗を展開する土佐料理司、昭和15年創業で従業員103名を擁するゆば八。
もう一方には、過疎の村で創業した坂利製麺所、岩泉町の小さな早野商店。
飯田くんは、企業の規模や知名度ではなく、「なぜこの商品を作るのか」という作り手の志で商品を選んでいます。
「自分の子供に自信を持って食べさせられる素麺を」と語る坂利製麺所の創業者も、「身体に優しい食品作り」を掲げる早野商店も、農林水産大臣賞を受賞したゆば八も。
規模は違えど、食に対する真摯な姿勢は同じです。
第1巻の「卵かけごはん」と第50便の「しじみ醤油」、調味料で始まり調味料に還る
振り返れば、第1巻の第1便は「卵かけごはんセット」でした。
卵と醤油というシンプルな組み合わせから始まった飯田くんのお取り寄せは、5巻50便を経て「やまだのソース」と「しじみ醤油」という調味料に辿り着いています。
華やかな食材ではなく、日常を支える「調味料」に価値を見出せるようになったことは、飯田くんのお取り寄せ眼がさらに成熟したことの証です。
良い醤油があれば冷奴が最高の一品になるように、良いソースがあれば目玉焼きが特別な朝食になる。
「何を食べるか」だけでなく「何で味付けるか」にまでこだわる。
それが、50便を重ねた飯田好実の到達点なのかもしれません。
まとめ
『おとりよせ王子 飯田好実』第5巻には、千葉の水郷どりから島根のしじみ醤油まで、全10品のお取り寄せグルメが登場します。
ペルーから沖縄に渡ったローストチキン、1200年前に中国から伝わった比叡ゆば、過疎の村から生まれたにゅうめん。
一つ一つの商品に、国境や時代を超えた「食の物語」が宿っています。
第5巻のキーワードは「食のルーツ」。
飯田くんのお取り寄せは、単に美味しいものを探す行為ではなく、その料理がどこから来て、誰の手でこの土地に根付いたのかを味わう行為です。
そして第50便で調味料に辿り着いたことは、「何を食べるか」を超えて「どう味わうか」という次元に至った成長を示しています。
気になった商品があれば、ぜひお取り寄せしてみてください。
一口ごとに、その商品の背景にある食の旅路を感じられるはずです。
※本記事に記載の情報は2026年4月時点のものです。
商品の価格・販売状況は変動する可能性がありますので、購入の際は各店舗の公式サイトで最新情報をご確認ください。
