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キャラ解説

【呪術廻戦】乙骨憂太を徹底解説!術式「模倣」の強さと純愛の物語

投稿日:2026年2月25日 更新日:

『呪術廻戦』の前日譚『呪術廻戦0』の主人公にして、本編でも物語の行方を大きく左右した特級呪術師・乙骨憂太。
幼い日に交わした「ずーっとずーっといっしょだね」という純粋な約束が呪いとなり、その呪いがやがて底知れぬ力へと変わっていく。
彼の物語は、愛と呪いの境界線を問い続ける『呪術廻戦』という作品の核心そのものです。

自己肯定感が極端に低く「死にたい」とまで願っていた少年が、仲間との出会いを経て「生きてていいって自信が欲しい」と立ち上がり、最終的には大切な人を守るために命を懸ける頼もしい術師へと成長していく姿は、多くのファンの心を掴みました。

この記事では、乙骨憂太のプロフィール・人物像・能力と術式・作中での活躍・名シーン、そして独自考察まで徹底的に解説していきます。

※この記事には『呪術廻戦』全編のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。

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乙骨憂太のプロフィール

項目内容
名前(読み方)乙骨憂太(おっこつ ゆうた)
声優緒方恵美
年齢17歳(0巻時点)
誕生日3月7日
身長180cm弱とされる
出身宮城県仙台市
所属東京都立呪術高等専門学校 2年
等級特級呪術師
血筋日本三大怨霊・菅原道真の子孫
好物塩キャベツをごま油で
苦手な食べ物ステーキの脂身
特技ネリケシ製作

乙骨憂太は、劇場版『呪術廻戦0』の主人公であり、本編では東京都立呪術高等専門学校の2年生として登場する特級呪術師です。
日本三大怨霊のひとりである菅原道真の末裔にあたり、五条悟とは遠い親戚関係にあるとされています。

『呪術廻戦』強さランキングでは第3位にランクインしている乙骨は、日本に4人しかいない特級呪術師のひとりであり、しかも入学時点ですでに特級に認定されていたという異例中の異例の存在です。
通常、呪術師は実績を積んで等級が上がっていくものですが、乙骨の場合は幼少期から特級過呪怨霊・折本里香に憑かれていたことで、入学前からその規格外の呪力が確認されていました。

外見は落ち着いた印象の黒髪の青年で、呪術高専では白い制服を着用しています。
好物は塩キャベツをごま油で食べるという庶民的な一面も、ファンから親しまれているポイントです。

 

人物像・性格:臆病な少年が「繋がりの最強」になるまで

内向的で自己評価が低い少年

乙骨憂太の出発点は、極端なまでの自己否定でした。
幼馴染の折本里香が特級過呪怨霊として自身に憑いたことで周囲の人間を傷つけてしまい、「もう誰も傷つけたくない」という思いからいじめを受けても抵抗せず、最終的には「死にたい」と願うまでに追い詰められていました。

五条悟に呪術高専へ連れてこられた当初も、極度に内向的で同級生とまともに会話することすらできない状態でした。

 

仲間との出会いがもたらした変化

乙骨の性格に大きな転機をもたらしたのは、呪術高専での同級生たちとの出会いです。
禪院真希・狗巻棘・パンダという個性豊かな仲間たちと任務を共にする中で、乙骨は少しずつ「自分が生きていてもいい」という実感を得ていきます。

特に禪院真希の存在は大きく、呪力を持たないにもかかわらず呪術師として戦い続ける彼女の姿は、乙骨に強い影響を与えました。
真希から剣術の手ほどきを受けたことは、後の乙骨の戦闘スタイルの基盤にもなっています。

狗巻棘とは、初めての合同任務で共闘したことがきっかけで友情を深めました。
パンダもまた、乙骨を自然体で受け入れてくれた貴重な存在です。
同級生に会えないことがストレス源だと語られるほど、乙骨にとって彼らの存在は大きなものとなりました。

 

0巻から本編への成長:3つの段階

乙骨の成長は大きく3つの段階に分けて捉えることができます。

第1段階:自己否定の時代。
里香の呪いに苦しみ、生きることそのものを拒絶していた時期。
すべての始まりであり、乙骨にとっての原点です。

第2段階:守護者としての覚醒。
仲間を得て「守りたいもの」を見つけ、百鬼夜行では命を懸けて戦い抜きます。
この段階で乙骨は「生きていたい」ではなく「大切な人を守るために戦う」という覚悟を手にしました。

第3段階:生きる覚悟を持った術師。
海外修行から帰国した本編の乙骨は、かつての臆病さが嘘のように堂々とした佇まいを見せます。
後輩である虎杖悠仁を守るために策を巡らせ、死滅回游では単身で複数の強敵を撃破し、最終決戦では自らの命を賭して仲間の未来を切り開きます。

 

主要な人間関係

乙骨を語るうえで欠かせないのが、周囲の人物との関係性です。

折本里香

幼馴染であり、幼い日にプロポーズを交わした相手。
里香の死後、乙骨の無意識の愛が彼女を特級過呪怨霊として縛り続けていました。
百鬼夜行での戦いを経て里香は成仏しましたが、その呪力は「リカ」として乙骨に残り続けます。
乙骨の物語の出発点であり、すべての力の根源となった存在です。

 

五条悟

恩師であり、菅原道真の子孫という血筋を共有する遠縁の親戚。
「死にたい」と願っていた乙骨を呪術高専へ導き、「そうなれば私が乙骨側につく」と上層部を脅してまで守った人物です。
乙骨にとっては文字通り人生を変えてくれた存在であり、最終決戦では五条の遺志を継ぐ形で戦い抜きました。

 

禪院真希

同級生であり、剣術の師匠的存在。
呪力を持たない身でありながら呪術師として戦い続ける姿は、乙骨に大きな勇気を与えました。
最終回のエピローグでは2人の結婚が示唆されており、乙骨の物語における「愛の帰結」を象徴する関係です。

 

狗巻棘・パンダ

かけがえのない同級生であり親友。
乙骨が「生きていていい」と思えるようになったのは、彼らとの日常があったからこそです。

 

虎杖悠仁・伏黒恵

呪術高専の後輩たち。
乙骨は虎杖の死刑執行人を装いながら裏では彼を守り抜く策を講じるなど、先輩として後輩の命を守ることに尽力しました。

 

夏油傑

0巻における最大の宿敵。
非術師の大量殺戮を企てた百鬼夜行を主導し、乙骨と正面からぶつかりました。
夏油との戦いは、乙骨が「守る力」に目覚めるきっかけとなった決定的な出来事です。

 

ミゲル

百鬼夜行で五条と対峙した海外の術師。
後に乙骨の海外修行を支えた協力者となり、乙骨の戦闘力向上に大きく貢献しました。

 

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能力・術式・戦闘スタイル:「底なしの呪力」と「模倣」の恐ろしさ

乙骨憂太の強さの源泉は、大きく分けて3つの要素から成り立っています。
圧倒的な呪力量、術式「模倣(コピー)」、そして高い戦闘センスです。
これらが組み合わさることで、乙骨は作中屈指の戦闘能力を持つ術師となっています。

 

呪力量:五条悟すら凌ぐとされる底なしの力

乙骨最大の武器ともいえるのが、その圧倒的な呪力量です。
呪力の総量だけであれば五条悟をも上回るとされており、これは作中でも言及されています。

この膨大な呪力の根源は、幼少期に折本里香を特級過呪怨霊として縛っていた際の呪力にあります。
里香が成仏した後もその呪力は乙骨自身のものとして残り続け、外付け術式「リカ」を通じて運用されています。
一撃一撃が必殺技に匹敵するとも評される攻撃力と、相手からの攻撃のダメージを抑える防御的な呪力運用の両方が可能です。

 

リカ:外付け術式としての再構築

0巻で折本里香が成仏した後、乙骨のもとに残った呪力は「リカ」という外付け術式として再構築されました。
これは里香の魂そのものではなく、乙骨の呪力が里香の形を模して生み出した存在とされています。

リカは呪力の備蓄庫としての機能を持ち、さまざまな呪具を格納して乙骨の戦闘をサポートします。
乙骨が左手薬指の指輪を通じて接続することで顕現し、完全顕現時には約5分間という時間制限の中で、術式「模倣」を含む乙骨の本来の能力がフル解放されます。

完全顕現したリカの戦闘力は凄まじく、0巻時点では「町一つ消しかねない」と評されるほどの破壊力を秘めていました。
本編においても、リカは単なる呪力タンクにとどまらず、乙骨の肉体が両断された際には付きっきりで反転術式を施し続けて肉体を維持するなど、独立した行動が可能な頼もしい存在として描かれています。

 

術式「模倣(コピー)」:他者の力を己のものとする

乙骨の本来の術式は「模倣(コピー)」。
リカとの接続時に他者の術式を複製し、自らのものとして行使できるという極めて強力な術式です。

コピーの条件としては、リカがコピー対象となる呪術師の身体の一部を取り込むことが必要とされています。
この条件を満たすことで、対象の術式を自在に使用することが可能になります。

作中で確認されている主なコピー実績は以下の通りです。

  • 呪言(狗巻棘の術式):言葉に呪力を乗せて対象に強制的な効果を及ぼす。0巻時点ですでに使用しており、呪霊に対して一言で致命的なダメージを与えていました。
  • 反転術式:自身の治癒だけでなく、他者の治癒も可能という極めて高度な技術。虎杖を一度完全に死亡した状態から蘇生させるという離れ業を成し遂げています。
  • 式神術(ドルゥヴ・ラクダワラの術式):死滅回游・仙台コロニーでコピー。
  • 空を操る術式(烏鷺亨子の術式):同じく仙台コロニーでの戦闘中にコピー。
  • 邪去侮の梯子(来栖華の術式):天使の術式をコピーし、運用。
  • G戦杖(シャルル・ベルナールの術式):相手の動きを読む能力。
  • (両面宿儺の術式):宿儺の斬撃術式の一部をコピーしたとされる。
  • 羂索の術式:脳を入れ替えることで肉体を渡り歩く術式。最終決戦における切り札として使用。

このコピー能力の恐ろしさは、複数の術式を状況に応じて切り替えながら運用できる点にあり、対戦相手にとっては乙骨の次の手が予測できないという大きなプレッシャーとなります。

 

領域展開「真贋相愛(しんがんそうあい)」

乙骨の領域展開は「真贋相愛」。
この領域が展開されると、周囲に建物の残骸のようなものや大きな水引が現れ、足元には無数の刀が出現するという独特の空間が形成されます。

この領域の最大の特徴は、リカとの接続時間制限を無視して「模倣」を無制限に使用できる点です。
通常は5分間という制約のある術式コピーが、領域内では時間制限なしで行使可能になり、さらにコピーした術式に必中効果を付与することもできます。

呪言、反転術式、式神術、空間操作など、異なる系統の術式が必中で襲いかかるため、対処は極めて困難です。

 

反転術式:「他人の治癒」という希少能力

呪術廻戦の世界において、反転術式で他者を治癒できる術師は極めて稀な存在です。
通常の反転術式は自身の傷を癒すことに限定されますが、乙骨はこの技術を他者にも適用できる数少ない術師のひとりとされています。

特筆すべきは、虎杖悠仁を一度完全に死亡させた後に蘇生させたエピソードです。
心臓を刀で貫いた直後に反転術式で即座に治癒するという離れ業は、乙骨の反転術式がいかに高い精度を持つかを示しています。

 

戦闘スタイル:剣術を軸とした近接戦闘

乙骨の戦闘スタイルの基盤は剣術です。
禪院真希から手ほどきを受けた剣技を土台に、刀を用いた近接戦闘を得意としています。
膨大な呪力を刀に込めて振るう一撃は、それだけで相手を圧倒するだけの威力を持っています。

しかし、乙骨が真に恐ろしいのは、この近接戦闘に術式「模倣」による多彩な遠距離攻撃や補助術式を組み合わせられる点です。
剣で斬りかかりながら呪言で動きを封じたり、ダメージを受けても反転術式で即座に回復したりと、戦闘中にあらゆる選択肢を取ることができます。

 

活躍シーン【ネタバレ注意】

※この先、『呪術廻戦』の重大なネタバレを含みます。本編未読の方はご注意ください。

 

幼少期:里香との約束と呪いの始まり

物語の始まりは、乙骨がまだ幼い子供だった頃に遡ります。
幼馴染の折本里香と仲睦まじく過ごしていた乙骨は、ある日里香に指輪を渡し「大人になったら結婚しよう」と約束を交わします。
しかしその直後、里香は交通事故によって命を落としてしまいます。

ここで重要なのは、里香を呪霊として縛り付けたのは里香自身ではなく、乙骨の無意識の力だったという事実です。
「離れたくない」という乙骨の強い想いが、里香を特級過呪怨霊として現世に留めてしまったのです。
この「愛が呪いに変わる」という構図は、乙骨の物語全体を貫くテーマとなっています。

里香の呪霊化以降、乙骨の周囲では不幸な事件が相次ぎます。
いじめてきた同級生が里香によって傷つけられ、乙骨は自分の存在が他者を危険にさらすことを痛感し、深い自己否定に陥りました。

 

0巻・百鬼夜行:守るために戦う覚悟

五条悟に導かれて呪術高専に入学した乙骨は、同級生の真希・狗巻・パンダとの交流を通じて少しずつ心を開いていきます。
そして夏油傑が引き起こした百鬼夜行において、乙骨は仲間を守るために初めて自らの意志で里香の力を解放します。

夏油との決戦で、乙骨は里香の全呪力を解放し圧倒的な力で夏油を退けます。
そしてこの戦いの後、自分こそが里香を縛っていた張本人だという真実に向き合い、里香の魂を解放(解呪)することに成功しました。
里香は安らかに成仏し、乙骨のもとには膨大な呪力と外付け術式「リカ」が残されることになります。

 

海外修行:ミゲルとの旅

百鬼夜行の後、乙骨は五条悟の計らいでミゲルとともに海外へと旅立ちます。
この修行期間中に乙骨は自身の術式「模倣」の本質を理解し、リカとの新たな関係性を構築したとされています。

海外修行の具体的な内容は作中で詳細に描かれていませんが、帰国後の乙骨の堂々とした立ち振る舞いから、戦闘技術・精神面の両方で大きく成長した期間であったことがうかがえます。

 

渋谷事変後:虎杖を守るための偽装

渋谷事変で五条悟が封印された後、呪術界上層部は宿儺の器である虎杖悠仁に死刑を宣告します。
この危機的状況で乙骨は五条からの密命を受け、表向きは虎杖の死刑執行人として帰国しました。

しかしこれは巧妙な偽装でした。
乙骨は虎杖を一度殺害した後、即座に反転術式で蘇生させるという方法で「処刑した」という事実を作り上げたのです。
自ら執行人となることで他の術師による殺害を防ぎ、同時に蘇生で命を守るという二重の策は、乙骨の頭脳と後輩への想いを示しています。

 

死滅回游・仙台コロニー:圧巻の連戦勝利

死滅回游編における乙骨の活躍は、本編を通じて最も鮮烈な戦闘シーンのひとつです。
仲間同士の潰し合いを避けるため、乙骨は単身で仙台コロニーへと乗り込みました。

仙台コロニーでは、ドルゥヴ・ラクダワラ、石流龍、烏鷺亨子、黒沐死という4人の強力な泳者が勢力を保っていました。
乙骨は反転術式の存在を隠しながら連戦し、相手の油断を誘いつつ一人ずつ撃破。
この連戦を通じて、読者に対しても術式「模倣」の全貌が初めて明かされました。

 

羂索戦:宿敵の術式を己のものに

五条悟が宿儺との戦いで敗北した後、乙骨は高羽煮雑との共闘で呪術師の宿敵・羂索に挑みます。
この戦いで乙骨は羂索を撃破することに成功し、同時に羂索の「肉体を渡り歩く術式」をコピーするという重要な成果を得ました。

この時点で乙骨が羂索の術式をコピーしたことは、後の最終決戦における最大の切り札となります。
乙骨は事前に「五条が倒された場合」のシナリオを想定しており、その計画の鍵が羂索の術式コピーだったのです。

 

新宿決戦(宿儺戦):命を懸けた最後の戦い

最終決戦である宿儺との戦いにおいて、乙骨は領域展開「真贋相愛」を展開し、コピーした複数の術式を駆使して宿儺に挑みます。
虎杖悠仁との共闘で宿儺を追い詰めますが、宿儺の世界を断つ斬撃によって乙骨の身体は両断されてしまいます。

しかし、ここから乙骨の真の作戦が始まります。
事前にコピーしていた羂索の術式を発動し、医療班が準備していた五条悟の遺体へと自らの魂を移し替えたのです。
五条の肉体を得た乙骨は、六眼と無下限呪術を使用可能な状態で戦闘に復帰します。

「乙骨五条」とも呼ばれるこの状態で、慣れない肉体ながらも無下限呪術と領域展開を駆使して宿儺と対峙。
最終的には羂索の術式が焼き切れて限界を迎えますが、その間リカが乙骨の元の肉体に反転術式を施し続けていたため、仮死状態だった自身の肉体に帰還することに成功しました。

乙骨の奮闘が宿儺に深手を負わせ、最終的に虎杖悠仁と釘崎野薔薇による決着へと繋がっていきます。
後輩たちに勝利への道を切り開いた乙骨の行動は、まさに「守護者」としての集大成でした。

 

最終回・エピローグ:生きることを選んだ先に

最終回において乙骨は生存が確認され、額に縫い目が残る姿で真希・狗巻・パンダと穏やかな時間を過ごす様子が描かれています。
また、五条家の当主代理に就任したことも明らかになりました。

さらに、エピローグとして描かれた遠い未来のシーンでは、伏黒恵に似た容姿の男の子と妹が登場しており、これは乙骨と禪院真希の孫であることが示唆されています。
真希は禪院家の血筋であるため、その子孫が伏黒恵に似ているのは血縁上の繋がりとして整合性があります。

スピンオフ作品『呪術廻戦モジュロ』では、この孫が主要キャラクターとして登場するとされており、乙骨の物語は次の世代へと受け継がれていくことになります。

 

名シーン・名セリフ

乙骨憂太の物語には、作品全体を象徴するような印象的なシーンが数多く存在します。

 

「ずーっとずーっといっしょだね」:純粋な約束が呪いになった瞬間

幼い日に里香へ指輪を渡しながら交わしたこの言葉は、純粋な愛の表現でありながら、同時に最も強力な「呪い」の始まりでもありました。
この一言が里香を特級過呪怨霊として縛り、乙骨に底知れぬ呪力をもたらし、物語全体を動かす原動力となったのです。
愛と呪いが表裏一体であるという『呪術廻戦』の根幹テーマを、これ以上ないほど端的に表現した名シーンです。

「生きてていいって自信が欲しいんだ」:自己存在の肯定への渇望

呪術高専に入学し、仲間との関わりの中で芽生えた乙骨の本音です。
「死にたい」から「生きていたい」へ、そしてただ生きるだけでなく「生きていてもいいという確信が欲しい」へと、感情が段階的に変化していく様子が凝縮されています。
自己肯定感の低い乙骨だからこそ発せられた言葉であり、多くの読者が共感したセリフとしても知られています。

 

「失礼だな 純愛だよ」:作品を象徴する一言

百鬼夜行での夏油との決戦の後、里香との関係について問われた乙骨が返したこのセリフは、『呪術廻戦0』どころか『呪術廻戦』という作品全体を象徴する名言として語り継がれています。

里香を縛り続けていたのが自分自身だったという事実を受け入れたうえで、それでもなお里香への想いを「呪い」ではなく「純愛」だと言い切る。
この一言には、愛が呪いに変わってしまう世界において、それでも愛を愛として肯定する乙骨の強い意志が込められています。

 

五条の肉体で戦場に立つ:師の意志を継ぐ

両断された自らの肉体を捨て、五条悟の遺体に魂を移して戦場に復帰する場面は、恩師の遺志を継ぐという決意の表れであり、師弟の絆を感じさせるシーンとして強い印象を残しました。

 

独自考察:乙骨憂太の物語が描く「愛と呪いの循環」

ここからは、乙骨憂太というキャラクターを独自の視点で考察していきます。

「愛→呪い→力→愛」という循環構造

乙骨の物語を俯瞰すると、そこには明確な「循環構造」が見えてきます。

里香への愛が呪いとなり、呪いが底知れぬ呪力(力)となり、その力が大切な人を守る手段となり、守ることが新たな愛の形を生む――この「愛→呪い→力→愛」の循環こそが、乙骨憂太というキャラクターの本質ではないでしょうか。

他の呪術師が負の感情を呪力に変換するのに対し、乙骨は愛という正の感情を呪力の源としている。
この構造が、乙骨を他のキャラクターとは決定的に異なる存在にしています。

 

術式「模倣」の本質:共感性の体現

乙骨の術式「模倣(コピー)」は、単なるコピー能力として捉えるだけでは本質を見落としてしまうように思えます。

模倣とは、他者を自分の中に取り込み、理解し、受け入れることで初めて成立する行為です。
これは乙骨の持つ「共感性」――他者の痛みや想いに寄り添い、自分のものとして引き受ける能力の術式的な表現なのではないでしょうか。

里香の死を受け入れられず呪霊として縛り続けた幼少期も、仲間を守るために自ら悪者を引き受けた虎杖蘇生の場面も、五条の肉体に入って師の意志を継いだ最終決戦も、すべてに共通するのは「他者を自分の内に引き受ける」という乙骨の本質的な在り方です。
術式「模倣」は、この精神性が術式として発現したものと考えることができます。

 

五条悟との対比:「孤高の最強」と「繋がりの最強」

乙骨と五条悟は菅原道真の子孫という共通の血筋を持ちながら、その在り方は対照的です。

五条の術式「無下限呪術」は、自分と世界の間に「無限」という壁を築く能力です。
あらゆるものを遮断するこの能力は、五条の「孤独」を象徴しているともいえます。
最強であるがゆえに誰にも理解されず、理解することもできない。
五条は結局、最後まで対等な存在を得ることができませんでした。

一方、乙骨の術式「模倣」は、他者の術式を自分に取り込む能力です。
壁を築くのではなく、境界を越えて他者と繋がる。
五条が「孤高の最強」だとすれば、乙骨は「繋がりの最強」です。

五条は一騎打ちの果てに孤独な最期を迎えましたが、乙骨は仲間の力を借り、師の肉体を継ぎ、後輩に未来を託すという「繋がり」の中で生還し、家庭を持ち次の世代へと命を繋いでいます。
壁を築くのではなく繋がることで呪いを超えた乙骨は、「呪いからの解放」というテーマの体現者といえるでしょう。

 

「生きて愛する」という選択:呪いを愛に変換できた唯一の存在

最終回で乙骨が真希との結婚を選び、子孫を残し、穏やかに生きる道を歩んだことには、深い意味があると考えます。

『呪術廻戦』の世界では、多くのキャラクターが「呪い」に縛られ、命を落としていきました。
夏油傑は非術師への憎悪という呪いに飲まれ、五条悟は最強であるという呪いの中で孤独に果てました。
しかし乙骨は、里香への愛が生んだ呪いを受け入れ、その呪力を人を守る力に変え、最終的には「生きて愛する」という最もシンプルで最も難しい選択にたどり着きます。

乙骨憂太は、『呪術廻戦』において「呪いを愛に変換できた唯一の存在」として、物語に希望の結末をもたらしたキャラクターなのです。

 

まとめ

乙骨憂太は、『呪術廻戦』という壮大な物語の中で独自の輝きを放つキャラクターです。

圧倒的な強さ。
五条悟をも上回るとされる底知れぬ呪力、あらゆる術式を己のものとする「模倣」、必中効果を付与する領域展開「真贋相愛」。
その戦闘力は作中でもトップクラスであり、死滅回游での連戦勝利や最終決戦での活躍はその証明です。

純愛の物語。
幼い日の約束が呪いとなり、呪いが力となり、力が愛を守る手段となる。
里香への想いから始まった乙骨の旅路は、最終的に真希との結婚という新たな愛の形に結実しました。

成長する人間性。
「死にたい」と願った少年が、仲間の支えを得て「生きていたい」と願い、最終的には後輩のために命を懸け、そして「生きて愛する」ことを選ぶ。
この3段階の成長は、読者自身の心にも響くものがあるのではないでしょうか。

0巻の主人公という位置づけから、本編では物語の行方を決定づける鍵を握る存在へ。
その活躍は続編的なスピンオフ『呪術廻戦モジュロ』での孫の物語へと受け継がれ、乙骨憂太の残した「愛の遺産」は次の世代でも描かれていくことになります。

愛と呪いの狭間で苦しみ、もがき、それでも前を向き続けた乙骨憂太の物語は、『呪術廻戦』という作品が読者に伝えたかったメッセージそのものなのかもしれません。

 

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