「電影少女」「I”s」で美少女描写の新境地を切り拓き、「ZETMAN」ではダークヒーローの世界観を構築。
さらにアニメ「TIGER & BUNNY」のキャラクター原案でも知られる漫画家・桂正和先生。
少年ジャンプ黄金期を支えたレジェンドのひとりですが、「今は何をしているの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、桂正和先生の現在の活動状況から、プロフィール、代表作品一覧、盟友・鳥山明先生との40年にわたる友情、漫画界への影響、そして今後の展望まで徹底的に解説します。
桂正和のプロフィール
木村ひさし監督の
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ふらくらmax2に
出てきました!
楽しかった!https://t.co/LXufDYQUEG pic.twitter.com/QVybqnCaGq— 桂 正和 (@MasakazuKatsura) May 18, 2025
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前(読み方) | 桂正和(かつら まさかず) |
| 生年月日 | 1962年12月10日(63歳) |
| 出身地 | 福井県生まれ、千葉県育ち |
| 学歴 | 阿佐ヶ谷美術専門学校中退 |
| デビュー年 | 1981年 |
| デビュー作 | 転校生はヘンソウセイ!?(週刊少年ジャンプ32号) |
| 主な連載誌 | 週刊少年ジャンプ、週刊ヤングジャンプ |
| 受賞歴 | 第19回手塚賞佳作(1980年「ツバサ」) |
桂正和先生は1962年に福井県で生まれ、千葉県で育ちました。
阿佐ヶ谷美術専門学校に進学するも中退し、漫画家の道を志します。
1980年に短編「ツバサ」で第19回手塚賞佳作を受賞し、翌1981年に「転校生はヘンソウセイ!?」で週刊少年ジャンプデビューを果たしました。
1983年からの初連載「ウイングマン」で変身ヒーローものという王道ジャンルに挑みつつ、繊細なヒロイン描写でも注目を集めます。
以降、「電影少女」「I”s」で美少女漫画の金字塔を打ち立て、「ZETMAN」では青年誌でダークヒーローを描くなど、ヒーローと美少女という二つの柱を軸にキャリアを築いてきた漫画家です。
桂正和の現在の活動
NEW WORLD ORDERが新録!!
このMIXも素敵!!バリエーションが増えたから、
単独でアートワークを作っちゃった。 pic.twitter.com/jsdOxcc9Gr— 桂 正和 (@MasakazuKatsura) January 13, 2025
「桂正和先生は今何をしているの?」という疑問にお答えします。
2014年に「ZETMAN」の連載が終了して以降、新たな長期連載は始めていませんが、次回作の構想を温めつつ、キャラクターデザインやメディア出演など多方面で精力的に活動を続けています。
ZETMAN続編と新作の構想
桂正和先生のファンが最も気になるのは、やはり次回作の動向でしょう。
先生自身、複数の作品構想について公の場で言及しています。
まず「ZETMAN」については、最終巻(第20巻)で続編「-ZET- 暴きの光輪」が予告されたまま、10年以上が経過しています。
これについて桂先生は自身のXアカウントで「描く気満々だったので、予告的な事をコミックスで描いてしまいました」と振り返りつつ、「時代がデジタルに移行していき私がついて行けなくなった」ことが大きな理由だと明かしています。
「私も大変無念」と吐露しながらも、「仕事が落ち着きデジタルに順応できたら、体力があればぜひ描きたい」と意欲を示しています。
さらに2022年の画業40周年展では、「ウイングマン」の続編構想についても言及。
「前に連載したものの続きを現代版にアレンジして描こうかと」と語り、主人公・健太が記憶を失い、ヒロイン・アオイだけが記憶を保っているという設定で新たなドラマを生み出す構想を明かしました。
優先順位としては「ZETMAN」の続編が最優先で、その後に「ウイングマン」新作、あるいは「電影少女」の復活にも触れるなど、創作意欲は依然として旺盛です。
メディア出演・SNS・展覧会
2024年8月には公式Xアカウントを開設。
「今後、御報告したい案件がそれなりにあるので、X始めてみました」とコメントしており、自身の活動を直接発信する場として活用しています。
テレビ出演も増えており、2025年2月からはテレビ朝日「ガリベンチャーV」に「似顔絵捜査官 桂正和」として不定期出演。
同年10月にはBS-TBS「X年後の関係者たち」に出演し、「桂正和と週刊少年ジャンプの黄金時代」をテーマに語りました。
2022年4月には池袋・サンシャインシティで画業40周年記念展覧会「桂正和〜キャラクターデザインの世界展〜」を開催。
漫画原画に加え、「TIGER & BUNNY」のキャラクターデザインやゲーム「アストラルチェイン」のキャラクターデザインなど、約200点の展示物でキャリアを総括する大規模な展覧会となりました。
また、2015年からは嵯峨美術大学の客員教授を務めており、後進の育成にも携わっています。
2025年には大宮八幡宮の正月絵馬・御朱印のイラストを手がけるなど、幅広い分野で創作活動を続けています。
桂正和の作品一覧
桂正和先生の代表作を発表順にご紹介します。
ヒーロー漫画から恋愛漫画、ダークヒーローまで、幅広いジャンルで名作を生み出してきたキャリアの全体像をたどってみましょう。
ウイングマン(1983年〜1985年)
- 掲載誌:週刊少年ジャンプ
- 巻数:全13巻
桂正和先生の記念すべき初連載作品です。
特撮ヒーローオタクの高校生・広野健太が、異次元から来た少女アオイが持っていた「ドリムノート」に自分の理想のヒーロー「ウイングマン」を描いたことで、変身能力を手に入れるというストーリーです。
ヒーローへの憧れと青春ラブコメを融合させた独自の世界観が好評を博し、1984年にはテレビアニメ「夢戦士ウイングマン」として放送されました。
桂先生にとって初のアニメ化作品ですが、当時はアニメの出来に複雑な思いもあったと後年語っています。
生誕40周年を迎えた2024年10月には、テレビ東京・DMM TVにて実写ドラマが放送・配信されました。
桂先生自身もスーツデザインの監修に携わり、40年の時を経て再び注目を集めた作品です。
電影少女(1989年〜1992年)
- 掲載誌:週刊少年ジャンプ
- 巻数:全15巻
桂正和先生の名を一躍広めた代表作のひとつです。
失恋した高校生・弄内翔が、不思議なレンタルビデオ店で借りたビデオテープから「ビデオガール」の天野あいが飛び出してくるという設定で物語が始まります。
故障した再生機で再生されたことであいに「心」が芽生え、翔との間に本物の恋が生まれていくという展開は、当時の少年漫画としては画期的でした。
桂先生の緻密な作画による美少女描写は「少年ジャンプの限界に挑戦した」とも評され、恋愛漫画の新たな地平を切り拓きました。
2018年にはテレビ東京で「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」として実写ドラマ化。
原作の約25年後を舞台にした新世代の物語が展開されました。
I”s(1997年〜2000年)
- 掲載誌:週刊少年ジャンプ
- 巻数:全15巻
「電影少女」の恋愛描写をさらに深化させ、ファンタジー要素を排した「純粋な恋愛漫画」として描かれた作品です。
高校生の瀬戸一貴と、同じクラスの芸能人・葦月伊織との揺れ動く恋模様が、リアルな心理描写とともに丁寧に紡がれます。
片思いのもどかしさ、すれ違い、嫉妬といった繊細な感情を、桂先生ならではの美麗な作画で表現。
少年漫画でここまで本格的な恋愛ドラマを成立させた功績は大きく、多くの後続作品に影響を与えたとされています。
2002年から2005年にかけてOVA(全6巻)が制作されたほか、2018年にはスカパー!にて実写ドラマ化もされました。
D・N・A²(1993年〜1994年)
- 掲載誌:週刊少年ジャンプ
- 巻数:全5巻
近未来の人口問題を背景に、100人の女性を虜にする「メガプレイボーイ」の遺伝子を持つ冴えない高校生・桃生純太と、未来からやって来たDNAオペレーター・葵かりんの物語。
SFと恋愛を融合させた意欲作で、1994年にはTVアニメ化されています。
連載期間は短いものの、独自の設定と桂先生らしいキャラクター造形でファンの多い作品です。
SHADOW LADY(1995年〜1996年)
- 掲載誌:週刊少年ジャンプ
- 巻数:全3巻
気弱な少女・小宮アイミが、魔法のアイシャドウを塗ることで大胆な怪盗「シャドウレディ」に変身するというコメディアクション。
桂先生の得意とする変身ヒーロー要素と美少女描写が融合した作品ですが、連載は短期で終了しました。
ZETMAN(2002年〜2014年)
- 掲載誌:週刊ヤングジャンプ
- 巻数:全20巻
桂正和先生が青年誌に活動の場を移して描いた渾身のダークヒーロー作品です。
人造人間「プレイヤー」の一体として生まれた少年ジンと、正義のヒーローに憧れる富豪の息子コウガ、ふたりの対照的な主人公の運命が交錯する壮大な物語が展開されます。
バットマンからインスピレーションを受けたと桂先生自身が語るこの作品は、「正義とは何か」という重いテーマに真正面から向き合った意欲作です。
約12年にわたる長期連載で全20巻という大作になりました。
2012年にはTVアニメ化もされています。
最終巻で続編「-ZET- 暴きの光輪」が予告されており、ファンの間では続編への期待が今なお続いています。
その他の作品・キャラクターデザイン
桂正和先生は漫画連載のほかにも、多くのキャラクターデザインを手がけています。
TIGER & BUNNY(2011年〜)
アニメ「TIGER & BUNNY」シリーズのキャラクター原案およびヒーローデザインを担当。
主人公ワイルドタイガーのデザインには「半年かかりました」と語るほどのこだわりを注ぎました。
アメコミや日本の特撮ヒーローとも違う「エポック的なもの」を目指し、既存のどのヒーローとも被らないデザインを追求。
制作サイドからは「全部丸投げ」と言われるほどの信頼が寄せられていました。
2022年にはシーズン2のキャラクターも担当し、原画&ラフ画集成も出版されています。
カツラアキラ(鳥山明との共作短編集)
盟友・鳥山明先生との合作による短編集で、「さちえちゃんグー!!」(2008年)と「JIYA -ジヤ-」(2009年)を収録。
鳥山先生が原作・ネーム、桂先生が作画を担当しました。
ふたりの個性が融合した貴重な一冊です。
アストラルチェイン(2019年)
[任天堂HP]『ASTRAL CHAIN(アストラルチェイン)』公式サイトを公開しました。 https://t.co/fjetNetdhq
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) June 11, 2019
Nintendo Switch用アクションゲーム「ASTRAL CHAIN」のキャラクターデザインを担当。
プラチナゲームズ開発のこのタイトルで、漫画の枠を超えたキャラクター造形の実力を発揮しました。
※作品名のリンクはAmazonアソシエイトリンクです。
桂正和と鳥山明の40年の友情
桂正和先生を語るうえで欠かせないのが、「ドラゴンボール」の作者・鳥山明先生との深い友情です。
ふたりの出会いは1980年代の週刊少年ジャンプ編集部でした。
当時の担当編集者・鳥嶋和彦氏が「漫画家同士で話せばストレス発散になるよ」と引き合わせたのがきっかけとされています。
「Dr.スランプ」で人気絶頂だった鳥山先生と、「ウイングマン」で連載をスタートさせたばかりの桂先生。
愛知県出身の鳥山先生と福井県生まれの桂先生は「どっちが田舎者か!」と冗談を言い合いながら、すぐに打ち解けたといいます。
ふたりの仲の良さを象徴するのが、毎晩の長電話です。
6時間は当たり前、時には12時間に及ぶこともあったそうです。
漫画の話はほとんどせず、面白いテレビ番組や街で見かけた出来事で大笑いしていたとのこと。
互いにトップクラスの漫画家でありながら、少年のような無邪気な関係が40年以上も続いていたのです。
鳥山先生の自宅には「怪獣部屋」があり、ゴジラやガメラのフィギュアが所狭しと並んでいたとか。
怪談やUFOの話でも盛り上がるなど、創作以外の共通の趣味も多かったようです。
2024年3月、鳥山明先生が急性硬膜下血腫のため急逝。
桂先生は深い悲しみを表明しました。
手術を控えた鳥山先生から「体を大事にしろよ」というメールを受け取っていたことを明かし、「40年の付き合いでこんな鳥山さんは初めて」と語っています。
漫画界が誇る友情の物語は、多くのファンの胸を打ちました。
桂正和の漫画界への影響
桂正和先生が漫画界に残した影響は、大きく分けて二つの側面があります。
美少女描写の革命
天野あい カラー 習作
色着けてみた。 pic.twitter.com/ISqdRzHDYo— 桂 正和 (@MasakazuKatsura) January 17, 2025
桂先生以前にも美少女を描く漫画家は存在しましたが、桂先生はそのリアリティと色気を少年漫画の中で高い次元に引き上げたパイオニアとして評価されています。
「電影少女」や「I”s」で見せた緻密なデッサンに基づく人体表現は、単なる「お色気」にとどまらず、キャラクターの感情や存在感を伝える表現手法として昇華されました。
後に続く多くのラブコメ漫画家に影響を与えたとされています。
ヒーローデザインの革新
「ウイングマン」から始まり、「ZETMAN」「TIGER & BUNNY」へと続くヒーローデザインの系譜も、桂先生の大きな功績です。
「すべての形には意味がある」という桂先生のデザイン哲学は、機能性とカッコよさを両立させるという独自のアプローチとして知られています。
漫画、アニメ、ゲームというメディアの垣根を越えてキャラクターデザインを手がける姿は、現代の漫画家のロールモデルのひとつといえるでしょう。
桂正和は引退する?今後の展望
やついフェスに出てきました。
お客様、演者さん、ありがとうございました!
暖かい空間で楽しいひと時でした。あら、なぜか下駄さんいた。
という事で、
不思議大百科的記念写真も添えて。 pic.twitter.com/eLTsIJtwCw— 桂 正和 (@MasakazuKatsura) June 21, 2025
63歳を迎えた桂正和先生ですが、引退の気配はありません。
現在新たな長期連載は持っていないものの、テレビ出演やSNSでの発信、キャラクターデザインの仕事、大学での教育活動など、クリエイティブな活動を精力的に続けています。
最も注目すべきは、「ZETMAN」続編への変わらない意欲です。
デジタル制作への移行が課題となっていますが、「体力があればぜひ描きたい」という言葉には、作品への強い愛着がにじんでいます。
また「ウイングマン」の現代版続編や「電影少女」の復活構想も語っており、描きたい作品はまだまだあるようです。
筆者の独自の見立てとしては、桂先生がXアカウントを開設し「御報告したい案件がそれなりにある」と予告したことは、何らかの新プロジェクトが進行中であることを示唆しているように思えます。
2024年のウイングマン実写ドラマ化で過去作品への再注目が高まっていることもあり、このタイミングで新作や続編の発表があっても不思議ではありません。
ファンとしては、桂先生のペースを尊重しつつ、朗報を待ちたいところです。
まとめ
桂正和先生は、「ウイングマン」「電影少女」「I”s」「ZETMAN」という名作群で少年漫画・青年漫画の両方に足跡を残し、「TIGER & BUNNY」のキャラクターデザインでアニメ界にも大きな影響を与えてきた稀有な漫画家です。
2014年以降、新たな長期連載は持っていないものの、ZETMAN続編やウイングマンの現代版構想を温めており、創作への情熱は健在です。
63歳にして漫画・アニメ・ゲームの垣根を越えた活躍を続ける桂先生の今後から、目が離せません。
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