バルバッド王国第23代国王にして、主人公アリババの異母兄・アブマド・サルージャ。
煌帝国に財政を握られ、国を疲弊させた「暗君」として描かれる一方、物語後半では意外な姿を見せるキャラクターでもあります。
この記事では、アブマドのプロフィールや人物像、アリババとの複雑な関係、そして彼の「改心」について詳しく考察します。
※この記事には『マギ』のネタバレが含まれます。
アブマド・サルージャのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | アブマド・サルージャ |
| 声優 | 宮田幸季 |
| 年齢 | 25歳 |
| 身長 | 145cm |
| 所属 | バルバッド王国 → シンドリア王国考古学調査団 |
| 役職 | 第23代国王(後に退位) |
| 血縁 | 父:ラシッド・サルージャ、弟:サブマド・サルージャ、異母弟:アリババ・サルージャ |
| 特徴 | 肥満体型、「〜でし」という訛り |
アブマドは、海洋国家バルバッド王国の第23代国王として登場します。
病に倒れた先王ラシッド・サルージャの後を継ぎ、弟のサブマドと共にバルバッドを治めていました。
身長145cmと小柄ながら、でっぷりとした肥満体型が特徴です。
『マギ』強さランキングでは114位にランクインしています。
戦闘能力は低いものの、国王としての地位と物語における重要な役割から評価されています。
アブマドの人物像・性格
怠け者で傲慢な「暗君」タイプ
アブマドは、作中で典型的な「暗君」として描かれています。
怠け者で傲慢、国政に真剣に取り組もうとせず、国の財政が疲弊していることを知りながらも対策を講じませんでした。
このような性格が、後にバルバッドを危機に陥れる原因となります。
「〜でし」という独特の訛り
アブマドの台詞には「〜でし」という独特の訛りがあります。
この訛りは彼のキャラクター性を印象づける要素となっており、やや間の抜けた印象を与えます。
シンドバッドを「おじさん」と呼ぶ関係
アブマドは、七海の覇王シンドバッドのことを「シンドバッドおじさん」と呼んでいます。
これは先代の頃からの付き合いがあるためですが、シンドバッドに対しては今でも頭が上がらない様子が描かれています。
アリババとの関係
異母兄弟としての立場
アブマドとアリババは、同じ父(ラシッド・サルージャ)を持つ異母兄弟です。
アブマドとサブマドは、バルバッド王と正妻の間に生まれた子供でした。
一方、アリババはバルバッド王とスラム街の女性アニスとの間に生まれた子供です。
この出生の違いが、兄弟の関係に大きな影を落としています。
アリババを弟と認めない差別意識
アブマドは、スラム出身のアリババを弟として認めていませんでした。
アリババのことを全く弟とは思っておらず、差別的な態度を取り続けます。
王族として育った自分と、スラムで育ったアリババとの間には、超えられない壁があると考えていたのでしょう。
サブマドとの対比
弟のサブマドは、アブマドとは対照的にアリババを認め、尊敬していました。
気弱な性格のサブマドは兄の悪政に意見することができませんでしたが、心の中ではアリババに期待を寄せていました。
同じ兄弟でありながら、アブマドとサブマドのアリババに対する態度は正反対だったのです。
バルバッド編での悪政【ネタバレ注意】
煌帝国の「銀行屋」への依存
アブマドの最大の失策は、財政を「銀行屋」と名乗る煌帝国の使者に全て任せてしまったことです。
国の財政が疲弊していることを知りながらも、自ら対策を講じることなく、言われるがままに煌帝国の提案を受け入れました。
煌紙幣への依存と経済破綻
煌帝国の指導のもと、バルバッドは煌紙幣に極度に依存した経済政策を取りました。
このムチャクチャな経済政策により、バルバッドの経済は混乱し、貧富の差は拡大。国民は苦しみ、国家は破綻の危機に瀕しました。
奴隷制度の導入を企てる
さらにアブマドは、奴隷商売を担保に煌の通貨を購入しようと企てました。
自国民を奴隷として売り渡そうとするこの計画は、王として最も許されない行為でした。
このような悪政の数々により、国民からの信頼は地に落ちます。
「霧の団」の台頭
アブマドの悪政に苦しむ国民の間から、「霧の団」と呼ばれる反乱組織が生まれました。
皮肉なことに、この霧の団を率いていたのはアリババでした。
異母弟が兄の悪政に立ち向かうという構図は、バルバッド編の大きなドラマとなっています。
王位剥奪とその後の人生
サブマドや臣下からの見放し
アブマドの悪政はついに限界を迎えます。
弟のサブマドや臣下たちからも見放され、アブマドは王位を剥奪されることになりました。
かつては頂点に君臨していた国王が、すべてを失う瞬間でした。
シンドリアへの身柄引き渡し
王位を剥奪されたアブマドは、シンドバッド率いるシンドリア王国に身柄を引き取られます。
かつて「シンドバッドおじさん」と呼んでいた人物の国で、新たな人生を歩むことになったのは、運命の皮肉と言えるかもしれません。
シンドリア王国考古学調査団への参加
その後、アブマドは過去の悪行を反省し、シンドリアの考古学調査団に入りました。
弟のサブマドも同様に考古学調査団に参加しており、二人は王族としての地位を捨て、新たな道を歩み始めます。
ザガン迷宮編での再会
物語後半のザガン迷宮編では、アラジンたちがシンドリアの考古学調査団となったアブマドやサブマドと再会する場面があります。
かつての「暗君」が、地道な調査活動に従事している姿は、彼の変化を象徴しています。
独自考察:アブマドの「改心」を考える
本当に改心したのか
アブマドは王位剥奪後に「反省した」とされていますが、本当に心から改心したのでしょうか。
考古学調査団での地道な活動は、確かに過去の怠惰な姿とは異なります。
しかし、それが真の反省によるものなのか、単に他に選択肢がなかっただけなのかは、作中では明確に描かれていません。
環境が人を変えた可能性
アブマドの変化は、「環境が人を変える」という側面から考えることもできます。
王宮という特権的な環境にいたからこそ、アブマドは怠惰で傲慢になったのかもしれません。
その環境から引き離され、一から出発しなければならない状況に置かれたことで、彼は変わらざるを得なかったとも考えられます。
アリババへの態度の変化
物語の中で、アブマドのアリババに対する態度がどう変化したかは詳しく描かれていません。
しかし、自らの悪政によって全てを失い、かつて見下していたアリババが英雄として活躍する姿を見た時、アブマドの心に何らかの変化があったことは想像に難くありません。
「暗君」の再生という物語
アブマドの物語は、「暗君の再生」という珍しいテーマを扱っています。
多くの物語では、暗君は倒されて終わりです。
しかし『マギ』では、アブマドに「その後」を与え、更生の機会を描いています。
これは、「どんな人間にも変わる可能性がある」というメッセージとも受け取れます。
まとめ
アブマド・サルージャは、『マギ』バルバッド編における重要な敵役であり、同時に「改心」という変化を見せたキャラクターです。
煌帝国に財政を握られ、国を疲弊させた「暗君」。
異母弟アリババを差別し、奴隷制度さえ導入しようとした悪王。
しかし、王位を剥奪された後は反省し、考古学調査団として新たな人生を歩み始めました。
アブマドの物語は、「環境が人を変える」「どんな人間にも変わる可能性がある」というテーマを提示しています。
決して好感を持てるキャラクターではありませんが、彼の存在はバルバッド編のドラマを深め、アリババの成長を際立たせる重要な役割を果たしました。
「暗君から改心した兄」というアブマドの物語は、『マギ』という作品の奥深さを示すエピソードの一つと言えるでしょう。

