「金も欲しい!女も欲しい!地位も名誉も、この世の全てが欲しい!」
この世のあらゆるものを欲する「強欲」のホムンクルス、グリード。
しかし彼が最後に手に入れたものは、金でも地位でもありませんでした。
本記事では、『鋼の錬金術師』に登場するグリードのプロフィールや能力、リン・ヤオとの融合、そして感動的な最期まで徹底解説します。
さらに「なぜグリードは最も人間らしいホムンクルスだったのか」という独自の考察もお届けします。
※この記事は『鋼の錬金術師』のネタバレを含みます。
グリード(強欲)とは?
何回みてもハガレンのグリードやんな… https://t.co/1QA2jY5Di8 pic.twitter.com/SyTXxqtHev
— からすま/karasuma (@kurokarasu_001) December 16, 2024
グリードは、物語の黒幕である「お父様」によって3番目に作られたホムンクルスです。
七つの大罪の一つ「強欲」を象徴する存在であり、その名の通り「この世の全てが欲しい」という底なしの欲望を抱いています。
しかし、他のホムンクルスとは決定的に異なる点がありました。それは、約100年前にお父様の支配から離反し、独自に活動していたこと。
ダブリスにある「デビルズネスト」を拠点に、軍の実験で合成獣(キメラ)にされた者たちを仲間として集め、自由に生きていました。
『鋼の錬金術師』強さランキングでは第9位にランクインしており、「最強の盾」と呼ばれる防御能力で知られています。
プロフィール・基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | グリード(強欲) |
| 声優 | 諏訪部順一(2003年版)/ 中村悠一(FA版) |
| 身長 | 約181cm |
| 順番 | 3番目に作られたホムンクルス |
| ウロボロスの紋章 | 左手の甲 |
| 能力 | 最強の盾(炭素硬化) |
| 口癖 | 「ありえないなんて事はありえない」 |
体格の良い青年風の外見で、髪を後ろに撫でつけたワイルドなスタイルが特徴。
サングラスをかけていることが多く、その堂々とした立ち振る舞いからは「欲望に正直な男」という印象を受けます。
性格と信条:強欲ゆえの義理堅さ
グリードの性格は一見すると自分勝手で傲慢。
しかし、その内面には独自の美学と義理堅さが存在します。
欲望に正直な男
「この世の全てが欲しい」というのがグリードの基本姿勢です。
金、女、地位、名誉、命、そして「神」さえも。
あらゆるものへの飽くなき欲望を隠そうともしません。
しかし彼は同時に「欲望に貴賎なし」とも語ります。
何かを欲することは人間として自然なことであり、それを恥じる必要はない 。
そんな考え方は、ある意味で人間的な価値観とも言えるでしょう。
「嘘をつかない」「女とは戦わない」
グリードには明確な信条があります。
それは「嘘をつかない」こと、そして「女とは戦わない」こと。
強欲でありながらも、自分の言葉には責任を持つ。
この矛盾した二面性が、グリードというキャラクターの魅力を深いものにしています。
部下を守る「強欲」
グリードは部下たちを「自分の所有物」と呼びます。
一見すると冷たい言い方ですが、その真意は「自分のものは何があっても守り抜く」というもの。
強欲だからこそ、手に入れたものを手放さない。
キメラの部下たちはグリードのこの姿勢を理解しており、兄貴分として慕っていました。
他のホムンクルスが人間やキメラを見下す中、グリードだけは彼らを対等な仲間として扱っていたのです。
能力「最強の盾」の強さ
グリードが持つ能力「最強の盾」は、ホムンクルスの中でも特異な防御能力です。
炭素硬化の仕組み
グリードは体内の炭素の結合度を自在に変化させることができます。
これにより、表皮をダイヤモンド並みの硬度にまで硬化させることが可能。
硬化した部分は黒く変色し、まさに鎧のような外見になります。
この能力は防御だけでなく攻撃にも転用可能。硬化した拳で殴れば、その破壊力は通常の比ではありません。
弱点と限界
しかし、最強の盾にも弱点があります。
まず、硬化と再生を同時に行うことができません。
硬化している部分を傷つけられた場合、一度硬化を解除してから再生する必要があります。
また、連続で攻撃を受け続けると対応しきれなくなります。
キング・ブラッドレイ(ラース)との戦いでは、圧倒的な剣速の前に硬化が間に合わず敗北しました。
リンとの融合:「グリリン」の誕生
ハガレンは、グリードめっちゃ好き✨ pic.twitter.com/mN8qoi6LCa
— ラインハルト🌽🌲@箱推し (@FBK2024) August 6, 2024
物語中盤、グリードは一度「死」を迎えます。
しかし、お父様の手によって予想外の形で復活することになりました。
賢者の石への回帰
ブラッドレイに敗北したグリードは、お父様によって体を溶かされ、賢者の石の状態に戻されてしまいます。
これはホムンクルスにとっての「死」に等しい状態でした。
リン・ヤオという器
東の大国シンの第十二皇子であるリン・ヤオは、不老不死を求めてアメストリスにやってきた野心家です。
彼は自ら志願して賢者の石。
つまりグリードを体内に取り込みました。
こうして、リンの肉体を器としてグリードは復活。
二つの魂が一つの体に共存する「グリリン」と呼ばれる状態が生まれます。
二つの魂の共存
当初、復活したグリードには以前の記憶がありませんでした。
お父様に忠実に従う様子を見せますが、リンの魂は消えておらず、時折体の主導権を争う場面もありました。
しかし次第に、二人は互いを認め合うようになります。
リンの「皇帝になりたい」という野心と、グリードの「全てを欲しい」という欲望。
似た者同士の二人は、奇妙な友情で結ばれていきます。
名シーン・名セリフ
※以下、重大なネタバレを含みます。
「金も欲しい!女も欲しい!地位も名誉も、この世の全てが欲しい!」
そうえいばハガレンの強欲のホムンクルス、グリードはなんで能力が硬化だったんだろう?エンヴィーの変身能力の方が強欲っぽくない? pic.twitter.com/x6dZqY377g
— トナキコ2 (@tonakiko2) October 8, 2024
グリードを象徴する名セリフ。
欲望を隠そうともしない彼の生き様を表しています。
「ありえないなんて事はありえない」
久々に #鋼の錬金術師 を読むなど。
最近の人間に聞かせてやりたいセリフですね(´ー`*)ウンウン#ハガレン#グリード#名言 pic.twitter.com/J5X84HJjsO— モリアーティ准教授 (@ap_moriarty) December 31, 2024
グリードの口癖であり、彼の楽観的な姿勢を表す言葉。
どんな状況でも可能性を捨てない強さが感じられます。
ビドーとの再会
復活後、記憶を失ったグリードの前に、かつての部下ビドーが現れます。
しかしグリードはビドーを「知らない」と切り捨て、殺してしまいます。
この瞬間、失われていたはずの記憶が蘇り、グリードは自分が何をしたのかを理解して慟哭します。
仲間を殺してしまった後悔と怒りが爆発するこのシーンは、彼の人間性を最も強く描いた場面の一つです。
「魂で繋がってんだ」
宿儺の「逆」で、もしやべーやつの中に善性が閉じ込めらたらどうなんだろ?って思ったんだけど、それがハガレンで、グリードの中にリンがいるやつだ pic.twitter.com/QrTsOIHfPT
— ビブ堂@本誌 (@1_27mayo) January 22, 2024
ビドーを殺した後、グリードに対してリンは言います。
「お前、自分が本当は何が欲しいか分かってないだろ。仲間ってのは魂で繋がってんだ」
この言葉は、グリードの心に深く刻まれることになります。
「欲に良い悪いはない」
終盤でグリードが語る言葉。
何かを欲することは人間の本質であり、それ自体に善悪はない。
強欲のホムンクルスだからこそ辿り着いた、一種の哲学とも言えます。
最後:本当に欲しかったもの
グリードの最期は、『鋼の錬金術師』の中でも屈指の感動シーンとして知られています。
お父様との最終決戦
約束の日、グリードはエドワードたちと共にお父様と対峙します。
かつての主に反旗を翻し、人間たちの側に立って戦うことを選んだのです。
「最初で最後のウソ」
戦いの中、グリードはリンを庇うためにある行動に出ます。
「リンに飽きた。お父様のところへ戻る」と嘘をつき、お父様に吸収されることを選んだのです。
「嘘をつかない」を信条としてきたグリードが、最初で最後につく嘘。それは仲間を守るための嘘でした。
お父様への反撃
しかし、これは単なる自己犠牲ではありませんでした。
お父様の体内に入ったグリードは、自らの「最強の盾」の能力を使い、お父様の体を脆くしていきます。
炭素の結合を緩め、ダイヤモンドの硬度を木炭のように脆くする「盾」ではなく「弱体化」として能力を使うことで、お父様を倒す決定的な隙を作り出したのです。
「十分だ。もう何にもいらねぇや」
消滅する間際、グリードは穏やかな表情を浮かべます。
「この世の全てが欲しい」と叫び続けた男が、最後に口にしたのは「もう何もいらない」という言葉。
「じゃあな、魂の…友よ」
リンとエドワードに別れを告げ、グリードは消えていきました。
本当に欲しかったもの
グリードが真に欲していたのは、金でも権力でも神の力でもありませんでした。
それは「仲間」。
魂で繋がった存在でした。
リンに指摘されるまで、グリード自身もそれに気づいていませんでした。
しかし最期の瞬間、彼は確かに「魂の友」を得て、満たされた状態で逝くことができたのです。
独自考察:なぜグリードは最も人間らしいのか
七人のホムンクルスの中で、グリードは最も人間らしいキャラクターとして描かれています。
なぜでしょうか。
「強欲」という感情の本質
お父様がグリードに込めた「強欲」とは、本来は切り離したい邪魔な感情でした。
しかし、何かを欲するという感情は、人間の根源的な本質でもあります。
生きたい、愛されたい、認められたい。
これらは全て「欲」です。欲望があるからこそ人間は行動し、成長し、他者と関わりを持とうとします。
グリードが人間らしいのは、彼が「欲望」そのものの体現者だからではないでしょうか。
仲間を求める心
グリードは部下たちを「所有物」と呼びながらも、その実、彼らを大切な仲間として扱っていました。
キメラという「はみ出し者」たちを受け入れ、居場所を与えたグリードの姿は、まさに人間的な温かさそのものです。
ビドーを殺してしまった時の慟哭は、彼が本当に仲間を大切に思っていた証拠。
そしてリンとの交流を通じて、グリードは自分が本当に欲しかったものに気づきます。
お父様との対比
お父様は全ての欲を切り離し、完全な存在になろうとしました。
しかし皮肉なことに、切り離された「強欲」こそが、最も人間的な成長を遂げたのです。
欲望を持つことは不完全ではなく、むしろ人間らしさの源泉。
グリードの存在は、お父様の思想の否定でもありました。
友を得た「強欲」
最終的にグリードは、リンという「魂の友」を手に入れます。
全てを欲した男が、たった一人の友によって満たされる。
これほど美しい結末があるでしょうか。
「もう何もいらない」という最後の言葉は、強欲が満たされた瞬間の言葉。
そして同時に、彼が人間として完成した瞬間でもありました。
まとめ
グリードは『鋼の錬金術師』において、最も人間らしく、最も感動的な最期を迎えたホムンクルスです。
- 「強欲」を象徴しながらも義理堅い性格
- 「最強の盾」と呼ばれる防御能力
- リン・ヤオとの融合と「グリリン」の誕生
- 仲間を殺してしまった後悔と成長
- 「魂の友」を得て満たされた最期
「この世の全てが欲しい」と叫んだ男は、最後にたった一つの。
しかし何よりも価値のあるものを手に入れました。
彼の物語は、「欲望とは何か」「人間らしさとは何か」という問いへの、一つの美しい回答となっています。