「マギを除けば最強」と評される老魔導士、マタル・モガメット。
マグノシュタット学院の学長として君臨する彼は、魔導士への深い愛情を持ちながらも、非魔導士を見下す歪んだ思想の持ち主として描かれています。
しかし、その背景には壮絶な過去と、誰よりも優しかった心の変遷がありました。
この記事では、モガメットのプロフィールから悲劇の過去、圧倒的な能力、そして感動的な最期まで徹底解説します。
※この記事は『マギ』のネタバレを含みます。
モガメットの基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | マタル・モガメット |
| 声優 | チョー |
| 年齢 | 98歳 |
| 身長 / 体重 | 170cm / 65kg |
| 所属 | マグノシュタット |
| 役職 | マグノシュタット学院学長 |
| 特徴 | 鷲鼻、黒い痘痕、2kgの長い髭 |
| 趣味 | 魔法研究 |
| 好きなもの | お茶 |
| 嫌いなもの | 酒などの堕落を促すもの |
モガメットは、魔導士国家マグノシュタットの最高権力者です。
先端に樹木の蔓のようなものが伸びた特徴的な杖を持ち、約2kgもあるとされる長大な髭がトレードマークとなっています。
作者によると、若い頃のモガメットは「アリババとシンドバッドを足して2で割った」ような美貌の持ち主だったとされており、現在の老いた姿からは想像もつかない過去があったことが示唆されています。
モガメットの人物像・性格
魔導士への深い愛情
モガメットは魔導士に対して非常に慈愛深い人物です。
魔導士であればいかなる人物・存在でも我が子同然に可愛がり、学院の生徒たちを温かく見守っています。
主人公アラジンからは「アリババや黄牙のババに負けない位優しい」と高く評価されており、その優しさは本物であることがわかります。
非魔導士への差別意識
一方で、モガメットは非魔導士(ゴイ)を家畜同然の存在として見下しています。
マグノシュタットでは非魔導士を第五等地区に隔離し、魔導士中心の社会を構築しています。
この二面性こそがモガメットというキャラクターの核心であり、なぜ優しい人物がここまで歪んでしまったのかという疑問が、彼の過去を知ることで解き明かされていきます。
ヤムライハの養父として
モガメットはシンドリア王国の八人将であるヤムライハの養父でもあります。
異国で暮らす彼女を今でも気遣っており、親としての愛情は変わらず持ち続けています。
モガメットの悲劇の過去
かつての慈愛に満ちた人物
モガメットはかつて、全ての人々に慈愛を向ける心優しい魔導士でした。
非魔導士に尽くすことが魔導士の使命だと信じ、差別とは無縁の人物だったのです。
妻の死
しかし、ムスタシム王国時代、魔導士は非魔導士から激しい迫害を受けていました。
モガメットの妻は、限界までマゴイ(魔力)を酷使させられた末に命を落としました。
娘サーナの死
さらに悲劇は続きます。パルテビア帝国との戦争の際、娘のサーナは徴兵され、ほぼ矢除けのための肉壁同然の扱いを受けて死亡しました。
死の間際、サーナはモガメットにこう問いかけます。
「魔法って本当に非魔導士を助ける為にあるのかしら?」
この言葉は、モガメットの心に深い傷を残しました。
王の言葉と決定的な変化
そして、王族の一人が放った言葉がモガメットを決定的に変えました。
「魔導士とはなんとも便利な種族だな」
迫害され続ける同胞、そしてそれを扇動する王や貴族たちへの失望。
これらが重なり、モガメットは魔導士だけに慈愛を向け、非魔導士を見下す歪んだ思想の持ち主へと変貌してしまいました。
革命とマグノシュタット建国
やがてモガメットは同志の魔導士たちと手を組み、ムスタシム王国に対して反乱を起こします。
革命は成功し、魔導士による魔導士のための国家「マグノシュタット」が建国されました。
ただし、モガメット自身は決して権力を欲してクーデターを起こしたわけではなく、あくまで自身の身分を「学長」と名乗り続けています。
モガメットの能力・魔法
『マギ』強さランキングでは第39位にランクインしているモガメットですが、その実力は作中屈指です。
「マギを除けば最強」の評価
プライドの高いジュダルをして「マギを除けば最強かつ最博識の魔導士」と評されるほどの実力者です。
暴走したティトスの杖を容易く弾き飛ばし、ティトスを介したシェヘラザードとの魔力のせめぎ合いにも勝利しています。
魔導士としての純粋な力量では、マギであるシェヘラザードさえも凌ぐとされています。
遠隔透視魔法
血液に宿るルフの記憶を映像化し、過去の出来事を観察することができる高度な魔法です。
この魔法により、様々な情報を収集することが可能となっています。
8型魔法による強制堕転術
モガメットが使用する最も恐ろしい魔法が、精神撹乱系の8型魔法です。
この魔法により、人の心を絶望に染め変えることで、意図的に「堕転」を促すことができます。
さらに、この技術を応用することで自分自身も意図的に堕転することが可能であり、これが物語終盤で重要な意味を持つことになります。
マグノシュタット三重結界
モガメットはマグノシュタットを守る三重の防壁を司っています。
この結界により、外部との接触を遮断し、国を守ることができます。
黒いジンの操作
堕転後のモガメットは、魔力炉と同化することで黒いジンを操る力を手に入れます。
この状態では、無数の金属器使いやマギを相手にしても圧倒し続けるほどの力を発揮しました。
マグノシュタット編での活躍(ネタバレ注意)
アラジンとの出会い
マグノシュタット学院に入学したアラジンは、学長であるモガメットと出会います。
モガメットはアラジンの中に眠る才能を見抜き、彼を導いていきます。
アラジンはモガメットの優しさに触れる一方で、非魔導士への差別という闇の部分も目の当たりにすることになります。
ティトスとの関係
レーム帝国のマギ・シェヘラザードの分身体であるティトスは、スパイとしてマグノシュタットに潜入していました。
しかし、モガメットはティトスを一人の生徒として受け入れ、慈愛を持って接します。
興味深いことに、若い頃のモガメットはティトスと、娘のサーナはティトスの友人マルガとそれぞれ対比して描かれており、過去と現在が重なり合う構図になっています。
レーム帝国の侵攻と堕転の決断
レーム帝国がマグノシュタットに侵攻してきた際、モガメットは国を守るために重大な決断を下します。
自らの8型魔法を使い、意図的に堕転することを選んだのです。
魔力炉と同化したモガメットは、黒いジンを操り、圧倒的な力でレーム軍を迎え撃ちます。
金属器使いやマギですら彼を止めることができませんでした。
ティトスの超律魔法と改心
しかし、ティトスが命を懸けて超律魔法を発動したことで、モガメットは魔力炉から離脱させられます。
ティトスの行動により、モガメットは自らの過ちに気づき、改心します。
かつて娘サーナを救えなかった自分が、今度はティトスという「息子」を救おうとした青年の姿に、心を動かされたのです。
モガメットの最期
改心したものの、堕転の影響は深刻でした。
モガメットはティトスの後を追うように、黒く干からびて力尽きます。
最期に彼がマグノシュタットに残したメッセージは、
「間違えずに生きられる者などどこにもいない」
というものでした。自らの過ちを認めながらも、それでも前を向いて生きることの大切さを伝える、深いメッセージです。
モガメットの魅力と独自考察
善と悪の境界線を体現するキャラクター
モガメットは単純な「悪役」ではありません。彼の行動には全て理由があり、その根底には魔導士への愛情と、迫害への怒りがあります。
善と悪の境界線は曖昧であり、環境や経験によって人は変わってしまうという、『マギ』という作品のテーマを体現したキャラクターと言えるでしょう。
差別と迫害の連鎖
モガメットの物語は、差別と迫害がさらなる差別と迫害を生むという負の連鎖を描いています。
かつて被害者だった魔導士が、今度は加害者となってしまう。
この構図は現実世界にも通じるメッセージを持っています。
アラジンへの杖の継承
モガメットの死後、彼の杖はアラジンが使用することになります。
これはモガメットの意志を継ぐという象徴的な意味を持っており、アラジンがモガメットの過ちを繰り返さないよう、その教訓を胸に刻んで進んでいくことを示しています。
ティトスとサーナの対比構造
物語の中で、若い頃のモガメットとティトス、娘サーナとマルガはそれぞれ対比して描かれています。
同じ構図のシーンが複数存在し、過去と現在が重なり合う演出がなされています。
この対比により、モガメットにとってティトスを救うことは、かつて救えなかったサーナを救うことと同じ意味を持っていたことがわかります。
まとめ
マタル・モガメットは、『マギ』という作品の中でも特に深みのあるキャラクターです。
かつては誰よりも優しく、全ての人に慈愛を向けていた青年が、迫害と悲劇により歪んでしまう。
しかし、最期には自らの過ちに気づき、改心して命を終える。その生涯は、人間の弱さと強さの両面を描いています。
「間違えずに生きられる者などどこにもいない」というモガメットの言葉は、読者の心にも深く響くメッセージではないでしょうか。
彼の物語は、差別や迫害の連鎖を断ち切ることの難しさ、そしてそれでも前を向いて生きることの大切さを教えてくれます。
