バルバッド王国を商業国家として繁栄させた名君にして、物語の主要人物たちに多大な影響を与えた人物。
それがラシッド・サルージャです。
アリババの実父であり、シンドバッドに商売の心得を説いた師でもある彼は、本編では故人として語られるのみですが、外伝『マギ シンドバッドの冒険』では重要な役割を果たしています。
この記事では、ラシッド・サルージャのプロフィールから、シンドバッドやアリババとの関係、そして彼の最期まで徹底的に解説します。
※この記事には『マギ』『マギ シンドバッドの冒険』のネタバレを含みます。
ラシッド・サルージャのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | ラシッド・サルージャ |
| 声優 | 土田大 |
| 享年 | 48歳 |
| 身長 | 174cm |
| 所属 | バルバッド王国 |
| 役職 | 第22代国王 |
ラシッド・サルージャはバルバッド王国の第22代国王です。
正妻との間にアブマドとサブマドの二人の王子を、侍女のアニスとの間にアリババをもうけました。
国王でありながら優れた商人としての顔も持ち、貿易によって国を豊かにし、バルバッドを一大商業国家へと成長させた人物として知られています。
人物像・性格
ラシッドは国政と商業の両面で卓越した手腕を発揮した人物です。
バルバッドが海洋国家として繁栄を極めたのは、彼の経済政策と貿易への深い理解があったからこそといえるでしょう。
一方で、家庭においては複雑な事情を抱えていました。侍女のアニスを深く愛していたものの、身分の違いから正式な結婚は叶わなかったとされています。
アニスとの間に生まれたアリババを長らく王宮の外で育てることになったのも、この身分差が原因でした。
正妻に教育を任せていた嫡子のアブマドとサブマドに対しては、国王としての資質に不安を感じていた様子が描かれています。
この不安が、後にアリババを王宮に呼び寄せる決断につながりました。
シンドバッドとの関係、「ハールン」の正体
外伝『マギ シンドバッドの冒険』では、ラシッドは重要な役割を果たしています。
若きシンドバッドがレーム帝国のナーポリアを訪れた際、「ハールン」と名乗る商人と出会います。
バルバッド王国から来たという貿易商人のハールンは、シンドバッドに商売の心得を説き、やがて「シンドリア商会」設立のきっかけを与えることになります。
しかし、このハールンの正体こそがバルバッド国王ラシッド・サルージャでした。身分を隠して商人に扮し、各地を巡っていたのです。
この設定は『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』へのオマージュとされています。
物語に登場するアッバース朝の偉大なるカリフ「ハールーン・アッ=ラシード」も、庶民の姿に変装して街を歩いたという逸話で知られています。作中でラシッド王がハールンという偽名を使ったのは、この歴史的人物へのリスペクトが込められているのでしょう。
ラシッドはシンドバッドの才能を見抜き、商人としての基礎を叩き込んだ恩人です。
後にシンドバッドがシンドリア王国を建国した際には、バルバッドの宝剣を彼に預けています。
この宝剣は、やがてシンドバッドからアリババへと託されることになります。
『マギ』強さランキングで1位に輝くシンドバッドの原点には、ラシッドとの出会いがあったのです。
アリババとの関係
アリババはラシッドと侍女アニスとの間に生まれた第三王子です。
母アニスは王宮を去った後、貧民街で娼婦をしながらアリババを育てましたが、病により他界。
その後、12歳になったアリババは父ラシッドによって王宮に迎え入れられました。
ラシッドがアリババを呼び寄せた理由は、正妻の子であるアブマドとサブマドに国王の資質を見出せなかったからです。
アリババには嫡子の補佐役となるべく、語学・剣術・経済学をはじめとする帝王学が徹底的に教え込まれました。
王宮に来た当初、アリババは「卑しい出自の子」として厳しい目を向けられていました。
しかし、持ち前の明るい性格と努力によって、やがて周囲から認められるようになっていきます。
アリババが王宮で過ごした約2年間は、彼の人格形成に大きな影響を与えました。
商人としての知識や交渉術、人を惹きつける話術など、後の冒険で発揮される多くの能力は、この時期に培われたものといえるでしょう。
最期と死因の真相【ネタバレ注意】
ラシッドはアリババを王宮に迎えてから約2年後に病に倒れます。
国政をアブマドに任せましたが、わずか1年で煌帝国の圧力により国は急速に衰退していきました。
この状況を憂いたラシッドは、アリババに王位を継ぐよう願い出ます。
しかし、アリババは自身がスラム出身であることを理由にこれを断りました。
その後、カシム率いる「霧の団」が王宮を襲撃。
この襲撃を受けた翌日、ラシッドは息を引き取りました。
病に蝕まれていた体に襲撃の混乱が追い打ちをかけ、死期が早まったとされています。
名君と呼ばれた王の最期は、国の行く末を案じながらの無念なものだったのかもしれません。
独自考察:ラシッドが残したもの
ラシッドは本編ではすでに故人であり、直接的な活躍シーンはほとんどありません。
しかし、彼が物語に与えた影響は計り知れないものがあります。
シンドバッドへの影響
七海の覇王と呼ばれるシンドバッドの商才は、ラシッドの薫陶によるものです。
シンドリア商会の設立から王国建国に至るまで、ラシッドの教えが基盤となっています。
師弟関係にあった二人が、それぞれの王国を率いて同盟を結ぶことになるのは、運命的なつながりを感じさせます。
アリババへの影響
アリババが持つ「人を惹きつける力」や「商人としての才覚」は、父ラシッドから受け継いだものでしょう。
また、身分の違いを超えて人と接する姿勢も、スラムで育ちながら王宮で認められた経験が影響しているはずです。
バルバッドの悲劇
ラシッドの死後、バルバッドは急速に衰退し、やがて王政廃止という結末を迎えます。
有能な王を失った国がいかに脆いかを示す悲劇であり、同時に「王の器」という作品テーマを浮き彫りにするエピソードでもあります。
ラシッドは「父」「王」「師」という三つの顔を持った人物でした。それぞれの立場で残した遺産が、物語の随所で生き続けているのです。
まとめ
ラシッド・サルージャは、アリババの父であり、シンドバッドの商売の師であり、バルバッドを繁栄に導いた名君でした。
外伝でのハールンとしての活躍、アリババへの帝王学の教育、そしてバルバッドの宝剣をシンドバッドに託したエピソードなど、彼の行動は物語の重要な伏線となっています。
本編では故人として語られるのみですが、シンドバッドやアリババという二人の主要人物に多大な影響を与えた点で、『マギ』という物語に欠かせない存在といえるでしょう。

