『鋼の錬金術師』に登場するスライサー(ナンバー48)は、第五研究所の番人を務める謎の鎧の剣士です。
その正体は、魂を鎧に定着させられた元死刑囚の兄弟。エドワード・エルリックを圧倒する剣技を持ちながらも、最期には人間らしい感謝の言葉を残して散っていきました。
この記事では、スライサー兄弟のプロフィールや能力、エドとの戦い、そして悲しき最期について詳しく解説します。
※この記事には『鋼の錬金術師』のネタバレが含まれます。
スライサー(ナンバー48)のプロフィール
その覚悟の末にどんな辛い展開が待っていても、ですか。
ハガレンのスライサー兄弟のように。原作では、エドがスライサー兄弟を人間扱いする、という一抹の希望を持たせたまま流されます。彼のそれが現実と照らし合わせた時、どういう意味を持つか追及されるような事はありません。→ pic.twitter.com/oBDlAzYaTU
— 無花果コバチ (@lh8sI98hji42y1e) October 19, 2020
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | スライサー(通称)/ ナンバー48(コードネーム) |
| 声優(FA版) | 松本大(兄)、野島健児(弟) |
| 声優(旧アニメ) | 大滝進矢(兄)、坂口候一(弟) |
| 正体 | 連続強盗殺人犯の兄弟 |
| 状態 | 兄は兜に、弟は鎧の胴体に魂を定着 |
| 所属 | 元第五研究所番人 |
| 武器 | 日本刀に似た刀 |
「スライサー」は通称であり、兄弟それぞれの本名は作中で明かされていません。
「ナンバー48」は第五研究所での管理番号で、同様にナンバー66(バリー・ザ・チョッパー)も研究所の番人として配置されていました。
スライサー兄弟の人物像
兄の性格
兄は冷静沈着な性格の持ち主です。戦闘中も感情的にならず、的確な判断で敵を追い詰めます。
そして最期の瞬間には、自分たちを人間として扱ってくれたエドワードに感謝の言葉を述べるなど、悪人でありながらも人間らしい一面を見せました。
弟の性格
一方の弟は、やや粗暴な気質を持っています。
兄と比べると短気で直情的ですが、兄との連携においては息の合った動きを見せます。
犯罪者としての過去
スライサー兄弟は、元々は連続強盗殺人犯として知られていました。
幼い頃からあらゆる悪事に手を染め、指名手配されていたという経歴を持ちます。
その戦闘能力の高さを見込まれ、アメストリス軍に逮捕された後、死刑執行に見せかけて錬金術の実験台にされてしまいました。
スライサー兄弟の能力と戦闘スタイル
圧倒的な剣技
スライサー兄弟の最大の武器は、その卓越した剣術です。
日本刀に似た刀を使い、エドワード・エルリックを圧倒するほどの攻撃速度と鋭い太刀筋を誇ります。
作中でエドワードは、後にグリードの部下であるドルチェット(犬のキメラ)と戦った際、「どっかの死刑囚よりぜんぜん遅ぇ」と評しています。
キメラの身体能力を持つドルチェットよりも速いということは、スライサーの剣速がいかに優れているかを物語っています。
二人一組の連携戦法
スライサー兄弟の恐ろしさは、二人一組で戦うという点にあります。
普通の鎧であれば、兜と胴体は一体のもの。
しかしスライサー兄弟は、兄が兜に、弟が鎧の胴体にそれぞれ魂を定着させられているため、「首なしでも動ける」という特性を持っています。
この特性を活かし、兜を外して油断させた隙に胴体が攻撃するという不意打ち戦法で、エドワードに手傷を負わせることに成功しました。
リビングメイルとしての存在
アルフォンス・エルリックと同様に、スライサー兄弟も「魂を鎧に定着させた存在」、いわゆるリビングメイルです。
肉体を持たないため、通常の攻撃では倒すことができません。
弱点は魂を定着させている血印であり、これを破壊されると消滅してしまいます。
第五研究所とスライサーの役割
第五研究所とは
第五研究所は、アメストリスの中央にある軍の錬金術研究機関の一つです。
表向きは閉鎖されていましたが、その裏では恐ろしい実験が行われていました。
隣接する中央刑務所から囚人やイシュヴァール人を連れ出し、賢者の石の錬成実験に使用していたのです。
管理責任者はバスク・グラン准将でした。
番人としての任務
スライサー兄弟は、バリー・ザ・チョッパー(ナンバー66)と共に、この第五研究所の地下を警備する番人として配置されていました。
侵入者を排除し、研究所の秘密を守ることが彼らの役目でした。
エドワードとの戦い
第五研究所への侵入
賢者の石の秘密を探るため、エドワードは第五研究所に侵入します。
そこで待ち受けていたのがスライサー兄弟でした。
激闘の展開
戦闘が始まると、スライサーは圧倒的な剣速でエドワードを攻め立てます。
エドワードは機械鎧を駆使して応戦しますが、スライサーの攻撃は鋭く、苦戦を強いられます。
さらに、二人一組という特性を活かした不意打ちにより、エドワードは負傷。
しかしエドワードは機転を利かせ、鎧の胴体部分を錬金術で分解することで弟の動きを封じ、最終的に勝利を収めました。
敗北を認めた兄
敗北したスライサー兄弟に対し、エドワードは殺すことなく、彼らを「人間」として扱いました。
この態度に心を動かされた兄は、第五研究所の秘密やホムンクルスの存在について話そうとします。
スライサー兄弟の最期
ラストとエンヴィーの襲撃
しかし、スライサー兄弟が秘密を漏らそうとしたその時、ホムンクルスのラストとエンヴィーが現れます。
口封じのため、二人は容赦なくスライサー兄弟の血印を破壊しました。
兄はエドワードに感謝の言葉を述べようとしながらも、その言葉を最後まで伝えることなく消滅。
弟もすぐに後を追いました。
バリー・ザ・チョッパーとの対比
ゴシャハギ見てると、ハガレンのバリー・ザ・チョッパー思い出す pic.twitter.com/b76GX5bqjn
— (@takabou_photo) April 11, 2021
興味深いのは、同じ第五研究所の番人でありながら、バリー・ザ・チョッパーは生き延びたという点です。
作者の荒川弘によれば、バリーも当初はスライサーと同じくこの戦いで死ぬ予定だったものの、直感で生き延びさせたところ、後の第三研究所の戦いに上手く絡んだとのこと。
スライサー兄弟とバリーの運命の分かれ道は、物語の展開によって決まったと言えます。
スライサー兄弟の意義と考察
アルフォンスの存在を相対化する役割
スライサー兄弟は、物語において重要な役割を果たしています。
それは、アルフォンス・エルリックと「同じ境遇の者」として登場することで、アルフォンスの特殊性を相対化するという役割です。
アルフォンスは「魂を鎧に定着させられた」という特殊な状態にありますが、彼だけがそうなのではない。
スライサー兄弟もまた、同じ技術によって鎧に魂を定着させられた存在でした。
この出会いは、エドワードにとって「アルフォンスのような存在が他にもいる」という事実を突きつけ、錬金術の闇の深さを実感させるものとなりました。
悪人でありながら人間性を見せた最期
スライサー兄弟は紛れもない悪人です。連続強盗殺人を犯し、多くの命を奪ってきました。
しかし最期の瞬間、自分たちを人間として扱ってくれたエドワードに感謝しようとした姿には、確かな人間性が垣間見えます。
悪人であっても、完全に人間性を失ったわけではなかった。この描写が、スライサー兄弟というキャラクターに深みを与えています。
『鋼の錬金術師』強さランキングでは第31位に位置づけられているスライサー兄弟。
短い登場ながらも、主人公エドワードを圧倒する実力と、悲しき最期が印象に残るキャラクターです。
まとめ
スライサー(ナンバー48)は、『鋼の錬金術師』第五研究所編における重要な敵キャラクターです。
- 元死刑囚の兄弟で、魂を鎧に定着させられたリビングメイル
- 日本刀に似た刀を使い、エドワードを圧倒する剣技の持ち主
- 二人一組の連携と不意打ち戦法が特徴
- 敗北後、エドワードに感謝しながらもラストとエンヴィーに始末される
- アルフォンスと同じ「魂を定着させた存在」として物語に深みを与える
悪人でありながらも最期に人間性を見せたスライサー兄弟。
彼らの存在は、『鋼の錬金術師』が描く錬金術の光と闇、そして人間の複雑さを象徴するものとなっています。
