「鉄血の錬金術師」の二つ名を持つ国家錬金術師、バスク・グラン。
本編では早々に退場してしまうキャラクターですが、イシュヴァール殲滅戦の回想で描かれた姿は、多くの読者に深い印象を残しました。
この記事では、バスク・グランのプロフィールや能力、そして原作とアニメで大きく異なる人物像について徹底解説します。
※この記事には『鋼の錬金術師』のネタバレが含まれます。
バスク・グランのプロフィール
答え合わせーー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
私のハガレンでの最推しは
鉄血の錬金術師、バスク・グラン准将でした!!
原作のイシュバール戦の活躍が最高にカッコ良かったのです✨ https://t.co/fJl3fgoN4W pic.twitter.com/wnw8uQJOTA
— こっぷ (@newkoppchan) December 16, 2020
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | バスク・グラン |
| 声優 | 青森伸 |
| 階級 | 准将(イシュヴァール戦時は大佐) |
| 二つ名 | 鉄血の錬金術師 |
| 所属 | アメストリス軍中央司令部 |
| 役職 | 第五研究所管理責任者(名目上) |
| 身長 | 約210cm |
| 外見 | 褐色肌、スキンヘッド、カイゼル髭、巨漢 |
バスク・グランはアメストリス軍の准将で、「鉄血」の二つ名を持つ国家錬金術師です。
アレックス・ルイ・アームストロングをも上回る巨躯の持ち主で、褐色の肌にスキンヘッド、立派なカイゼル髭という威圧感のある外見が特徴です。
「鉄血」という二つ名には「鉄は兵器、血は兵士」という意味が込められており、まさに戦場を駆ける軍人としての在り方を象徴しています。
バスク・グランの錬金術と能力
超攻撃的な兵器錬成
バスク・グランの錬金術は、武器・兵器の錬成を得意とする戦闘特化型です。
周囲の岩や鉄から多種多様な武器を一度に大量に錬成し、それを一斉に放つという豪快な戦闘スタイルが特徴です。
錬成できる武器の例
- 重火器(銃砲)
- 鉄球(モーニングスター)
- 砲台
- 鉄の檻
錬成陣の使用方法
グランは両拳に錬成陣が彫られたガントレット(籠手)と腕輪を装備しています。
両手を合わせることで錬成を発動するスタイルで、これはアームストロング少佐と類似した方式といえます。
この方式により、戦闘中でも素早く錬成を行うことが可能です。
軍隊格闘の達人
錬金術だけでなく、バスク・グランは軍隊格闘の達人としても知られています。
その巨体と格闘技術を組み合わせた戦闘能力は、国家錬金術師の中でもトップクラスでした。
『鋼の錬金術師』強さランキングにおいても、その実力は高く評価されています。
原作で描かれた「真実」の姿
イシュヴァール殲滅戦での行動
原作(および『FULLMETAL ALCHEMIST』)では、バスク・グランはイシュヴァール殲滅戦の回想シーンで登場します。
当時の階級は大佐で、グラン隊を率いて激戦区に派遣されていました。
注目すべきは、原作で描かれた彼の行動です。
部下を守るために先陣を切る
バスク・グランは激戦区カンダ地区において、部下を死なせないために自ら先陣を切りました。
大勢の戦死者を出す戦闘を迅速に終わらせるため、自らが最前線に立って戦ったのです。
この行動は、彼が単なる好戦的な軍人ではなく、部下の命を第一に考える指揮官であったことを示しています。
フェスラー准将の暗殺
物語の中で特に印象的なのが、フェスラー准将を射殺したエピソードです。
フェスラー准将は無能な指揮官で、手柄欲しさに皆殺しを命令し、兵を無駄に消耗させていました。
グランはこの状況を看過できず、ライフルでフェスラーを暗殺します。部下たちはこれを「流れ弾に当たった」として処理しました。
この決断は、不条理な命令よりも部下の命を優先した彼の人間性を表すエピソードとして知られています。
降伏したイシュヴァール人への対応
グランは降伏を申し出たイシュヴァール人の代表者の話にも耳を傾けました。
自らの命と引き換えに戦争の終結を願うイシュヴァラの最高指導者ローグ・ロウに対しては敬意を払い、ブラッドレイ大総統との面会を実現させています。
戦争の早期終結を願っていたグランでしたが、ブラッドレイは和平を拒否。結局、この努力は実を結びませんでした。
原作での人物評価
原作において、バスク・グランは気骨に満ちた軍人として描かれています。
敵であっても敬うべき相手は敬い、不条理には立ち向かう。そんな高潔な一面を持つ人物でした。
アニメ(2003年版)での描写
原作とは真逆の人物像
2003年版アニメでは、バスク・グランは原作とは全く異なる人物として描かれています。
この違いは、ファンの間でしばしば議論の対象となっています。
2003年版での行動
2003年版アニメにおけるグランは、以下のような人物として描かれました。
- イシュヴァール戦で研究途中だった「賢者の石」を戦場に配布
- 徹底的な虐殺を指揮
- ロックベル夫妻(ウィンリィの両親)を当時部下だったマスタングに殺害させる
- キメラと賢者の石の研究に責任者として携わり、多くの命を奪う
原作の「部下思いの高潔な軍人」とは正反対の、典型的な悪役として描かれています。
なぜ描写が異なるのか
2003年版アニメは原作の連載途中で制作されたため、オリジナル展開が多く含まれています。
バスク・グランの描写の違いもその一環であり、物語の都合上、明確な「悪役」として再構築されたと考えられます。
バスク・グランの最期
傷の男(スカー)による殺害
本編の時点でバスク・グランは既に故人です。
セントラルシティで発生した「国家錬金術師連続殺人事件」の被害者の一人として、傷の男(スカー)に殺害されました。
原作での最期
原作では、グランが殺害される場面は直接描かれていません。
酔っ払って夜道を帰宅途中に闇討ちされたとされており、イシュヴァール戦での活躍とは対照的な、あっけない最期だったことが示唆されています。
軍隊格闘の達人であっても、背後からの不意打ちと人体破壊の錬金術の前には為す術がなかったのでしょう。
FA(FULLMETAL ALCHEMIST)版での最期
FA版第4話では、傷の男との戦闘が描かれています。
グランは重火器と鉄の檻で応戦しますが、スカーの右腕による人体破壊に対応できず敗北。
真っ当な戦闘を展開したものの、一撃も与えられずに倒されてしまいました。
死後に着せられた罪
グランの死後、第五研究所で行われていた非人道的な実験が明るみに出た際、既に死んでいた彼にその罪が着せられることになりました。
死してなお利用されるという、皮肉な結末です。
バスク・グランの魅力と考察
「悪役」として消費されたキャラクター
2003年版アニメの影響もあり、バスク・グランは長らく「悪役」としてのイメージが先行していました。
しかし原作を読み返すと、そこには全く異なる人物像が描かれています。
原作における隠れた良識派としての姿は、作品を深く読み込むことで初めて見えてくる魅力といえるでしょう。
イシュヴァール戦の悲劇を象徴する存在
バスク・グランは、イシュヴァール殲滅戦という悲劇の中で「正しくあろうとした軍人」の一人です。
フェスラー准将の暗殺、降伏者への敬意、早期終結への願い。
これらの行動は、戦争という狂気の中でも人間性を失わなかった者がいたことを示しています。
しかし、そんな彼でさえ戦争を止めることはできませんでした。
この無力感こそが、イシュヴァール戦の悲劇性を象徴しているのかもしれません。
早すぎた退場の惜しさ
本編開始直後に退場してしまうバスク・グランですが、その背景にあった人物像は非常に奥深いものでした。
もし生きていれば、「約束の日」においてどのような行動を取ったのか。それを想像させる魅力を持ったキャラクターです。
まとめ
バスク・グランは『鋼の錬金術師』において、原作とアニメで最も描写が異なるキャラクターの一人です。
- 「鉄血の錬金術師」の二つ名を持つ国家錬金術師
- 兵器錬成を得意とする戦闘特化型の錬金術師
- 原作では部下思いで高潔な軍人として描かれている
- フェスラー准将の暗殺、降伏者への敬意など、良識派としての行動
- 傷の男(スカー)に殺害され、本編では既に故人
原作を読み込むことで見えてくる彼の真実の姿は、単純な「悪役」では語れない深みを持っています。
イシュヴァール殲滅戦という悲劇の中で、人間性を保とうとした軍人の一人として、バスク・グランは記憶に留めておくべきキャラクターといえるでしょう。