『鋼の錬金術師』に登場するホムンクルスの中で、最も皮肉な存在といえるのがスロウスです。
「怠惰」を象徴する名前を持ちながら、その能力は「最速」。
口癖の「めんどくせぇ」とは裏腹に、100年以上もの間トンネルを掘り続けた働き者でもあります。
この記事では、スロウスの能力や性格、そしてアームストロング姉弟との壮絶な戦いから最期まで徹底解説します。
※この記事には『鋼の錬金術師』のネタバレが含まれます。
スロウスの基本プロフィール
いまようやくザンデイベ始めたんですが、ザンデの声ってハガレンのスロウスと同じ方ですかね? pic.twitter.com/OZXhh0pBLK
— アンブラ (@wYoYP3mo9dcOfYO) April 14, 2020
スロウスは、お父様によって5番目に創造されたホムンクルスです。
七つの大罪の「怠惰(Sloth)」を象徴する存在として生み出されました。
外見的特徴
スロウスは、ホムンクルスの中で最も巨大な体躯を持っています。
- 身長:約260cm(人間の2倍以上)
- 体型:筋骨隆々で極端に発達した上半身
- 髪:伸び放題の長髪
- 顔:右半分に基盤のような模様、隻眼
- ウロボロスの紋章:右肩の後方に刻まれている
- 装備:両腕に巻かれた鎖
その巨体はホムンクルスの中で最大であり、まさに「怪物」と呼ぶにふさわしい威圧感を放っています。
声優
アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』では、立木文彦がスロウスを演じています。
スロウスの能力「最速のホムンクルス」
スロウスが持つ固有能力は、その名前とは正反対の「驚異的な速さ」です。
人間には目視不可能な超高速移動
スロウスの最大の武器は、その巨体からは想像もつかない超高速移動能力です。
- 人間では目視不可能なほどのスピード
- 一瞬で最高速度まで到達する瞬発力
- 残像さえ残さない速さ
- アームストロング姉弟でさえ視認できないレベル
このスピードを武器に、スロウスは自らを「最速のホムンクルス」と称しています。
巨体×最速が生む破壊力
スロウスの恐ろしさは、その「質量」と「速度」の組み合わせにあります。
約260cmの巨体が持つ重量を、最高速度で叩きつける。
その破壊力は凄まじく、コンクリートを容易に粉砕し、人間をいとも簡単に潰せるほどです。
また、防御面でも優れた能力を持っています。
- 銃弾や剣筋を跳ね返すほど頑丈な肉体
- 戦車の砲撃にも動じない防御力
- 大砲クラスでようやくダメージが通る
制御不能という致命的弱点
しかし、このスピードには大きな欠点があります。
スロウスは自分自身のスピードをコントロールできないのです。
- 一度発動すると何かにぶつかるまで止まれない
- 方向転換もできない
- 狙った対象にピンポイントで突進することが困難
この制御不能な速さを抑制するため、お父様はスロウスの両腕に鎖を装備させました。
『鋼の錬金術師』強さランキングでは第8位に位置づけられていますが、この弱点がなければより上位だったかもしれません。
スロウスの性格と口癖「めんどくせぇ」
スロウスは、その名の通り「怠惰」を体現したような性格の持ち主です。
極度の面倒臭がり
スロウスの最大の特徴は、その極端な面倒臭がりぶりです。
- 口癖:「めんどくせぇ」(「めんどーくせぇ」とも)
- 思考が鈍重で、物事を深く考えない
- 感情の起伏が乏しい
- 自分から主体的に動くことを嫌う
戦闘中でさえ「めんどくせぇ」と呟きながら戦う姿は、まさに「怠惰」の権化といえるでしょう。
「怠惰」なのに「最速」という皮肉
スロウスというキャラクターの面白さは、この「矛盾」にあります。
- 名前:怠惰(スロウス)=遅い、怠けるイメージ
- 能力:最速のホムンクルス
- 性格:面倒臭がりで動きたくない
- 実績:100年以上トンネルを掘り続けた
「怠惰」を象徴する存在が「最速」の能力を持ち、面倒臭がりなのに100年以上も働き続けたという皮肉。
この設定は、荒川弘先生らしい巧みなキャラクター造形といえます。
100年に及ぶトンネル掘削の任務
スロウスは物語開始のはるか以前から、お父様の計画のために働いていました。
国土錬成陣のためのトンネル
お父様がアメストリス全土を巻き込む「国土錬成陣」を完成させるためには、国の地下に巨大な錬成陣を描く必要がありました。
スロウスに与えられた任務は、この地下トンネルを素手で掘り続けること。
100年以上の単純労働
驚くべきことに、スロウスはこの任務を100年以上も続けていました。
「めんどくせぇ」が口癖の怠惰なホムンクルスが、100年以上も同じ作業を繰り返していたのです。
これもまた、スロウスというキャラクターが持つ矛盾であり、皮肉です。
もちろん、スロウス自身はこの任務を喜んでやっていたわけではありません。
命令だから仕方なくという姿勢で淡々と作業を続けていたのでしょう。
アームストロング姉弟・カーティス夫妻との死闘
物語終盤、スロウスは強敵たちとの壮絶な戦いを繰り広げます。
ブリッグズでの激突
スロウスがトンネル掘削中に辿り着いたのは、北方のブリッグズ要塞でした。
ここで待ち受けていたのが、「北壁の女王」の異名を持つオリヴィエ・ミラ・アームストロング少将。
スロウスは彼女の部隊と激しい戦闘を繰り広げます。
アームストロング姉弟との対決
さらに弟のアレックス・ルイ・アームストロング少佐も参戦。姉弟揃ってスロウスに立ち向かいます。
スロウスの巨体と怪力、そして「最速」の能力は脅威でしたが、アームストロング姉弟の連携によって徐々に追い詰められていきます。
カーティス夫妻の参戦
そこへ駆けつけたのが、エドとアルの師匠であるイズミ・カーティスと、その夫シグ・カーティス。
シグの怪力とイズミの錬金術が加わり、スロウスはさらなる苦戦を強いられます。
まさに最強クラスの戦士たちによる総力戦となりました。
スロウスの最期「生きてるのも…めんどくせぇ」
ルアンが作ったのって例えると
「常に怠惰しないハガレンのスロウス」だからね?それを主人公にぶつけて本当に崩壊スターレイルを『完』させかけた pic.twitter.com/xEULGadfHL
— エインヘリャル (@water_wheel_dx) February 5, 2025
最速能力の解禁
追い詰められたスロウスは、ついに封印していた「最速」の能力を解禁します。
両腕の鎖を外し、最高速度での突進を開始。
その速さはアームストロング姉弟でさえ目で追うことができないほどでした。
床に錬成された棘
しかし、スロウスの弱点「止まれない」という欠点を突いた戦術が功を奏します。
床に錬成された棘によってスロウスは串刺しにされ、動きを封じられてしまいます。
「怠惰」らしい満足げな最期
賢者の石が尽き、消滅を迎えるスロウス。
その最期の言葉は、
「ああ…生きているのも…めんど…くせぇ…」
戦い続けることも、生き続けることも「めんどくせぇ」。
最後まで「怠惰」を貫いたスロウスらしい、ある意味で満足げな最期でした。
この言葉には、100年以上も働き続けた疲労や、戦い続けることへの倦怠感が込められていたのかもしれません。
ようやく「休める」ことへの安堵すら感じさせる、印象的な散り様でした。
1期と2期の違い
アニメ『鋼の錬金術師』には2003年版(1期)と2009年版(2期)がありますが、スロウスは両者でまったく異なるキャラクターとして描かれています。
2期(FULLMETAL ALCHEMIST):原作準拠
2009年版は原作準拠のため、本記事で解説してきた「巨大な男のホムンクルス」として登場します。
- 「めんどくせぇ」が口癖の巨大な男
- 100年以上トンネルを掘り続けた
- 「最速のホムンクルス」の能力を持つ
1期(アニメオリジナル):トリシャがベース
一方、2003年版はアニメオリジナル展開のため、スロウスはエドとアルの母・トリシャをベースにした女性のホムンクルスとして描かれました。
- 女性の姿をしたホムンクルス
- エドとアルにとって「母」の姿をした敵
- 水を操る能力を持つ
1期と2期ではまったく設定が異なるため、両方を視聴する際は注意が必要です。
まとめ
スロウスは、『鋼の錬金術師』において独特の魅力を持つホムンクルスです。
「怠惰」を象徴しながら「最速」の能力を持ち、面倒臭がりなのに100年以上も働き続けた。
この「矛盾」こそがスロウスというキャラクターの面白さです。
そして最期の言葉「生きているのも…めんどくせぇ」は、彼の人生(ホムンクルスとしての存在)を象徴する名言となりました。
戦うことも、生きることも面倒だと感じながら、それでも命じられるままに任務を全うしたスロウス。
その姿には、どこか哀愁すら漂っています。