『マギ』のアルマトラン編に登場する重要キャラクター・ワヒードについて徹底解説します。
ソロモンの抵抗軍として共に戦った仲間でありながら、最愛の息子を失ったことで運命を拒絶し、アル・サーメンへと転じた悲劇の人物です。
死後もアリババに魔法を教えるなど、物語の重要な役割を担っています。
※この記事は『マギ』のネタバレを含みます。
ワヒードの基本プロフィール
ワヒードは、アルマトラン編に登場する神杖を持つ魔導士です。
精悍で逞しい体格の男性で、左目に眼帯をつけているのが特徴的です。
物語が進み5年後の姿では、両目を帯で覆っています。口の左側には大きなリング状のピアスをつけており、独特の存在感を放っています。
性格は豪快かつ好戦的で、大食漢としても知られています。
一人称は「わし」で、年寄りのような喋り方をするのが特徴です。
見た目の荒々しさとは裏腹に、家族への深い愛情を持つ人物でもあります。
ワヒードの能力・強さ
ワヒードはソロモン率いる抵抗軍の中心人物の一人として活躍した実力者です。
神杖は三鈷杵(さんこしょ)を十字に重ねたような形の飾りがついた独特のデザインをしています。
得意とするのは炎の魔法で、戦闘では強力な火炎を操って敵と戦いました。
抵抗軍の中でも主要な戦力として数えられ、ソロモンやウーゴ、セッタ、イスナーンらと共に魔導士聖教会連合に立ち向かいました。
『マギ』強さランキングでは45位にランクインしており、アルマトラン時代の魔導士としては相応の実力を持っていたことがうかがえます。
ファーラン・テスとの家族関係
ワヒードの人生を語る上で欠かせないのが、妻ファーランと息子テスの存在です。
ファーランは輪を描くように結んだオレンジ髪が特徴的な女性で、語尾に「〜アル」とつける独特の喋り方をします。
彼女は人や対象を操る魔法を得意とする魔導士で、ワヒードと同じく抵抗軍の一員でした。
ファーランがワヒードを好きになった理由は「明るくて単純なダメ男」だったからとされています。
豪快で裏表のないワヒードの性格に惹かれたのでしょう。二人は結ばれ、一人息子のテスをもうけました。
テスの名前はアラビア語で「9」を意味する言葉が由来とされており、両親と同じく抵抗軍の一員として活動していました。
アル・サーメンへの転身と最期
家族と共に平和な世界を夢見ていたワヒードでしたが、最愛の息子テスの死が彼の運命を大きく変えることになります。
息子の死を目の当たりにしたワヒードとファーランは、「運命」そのものを拒絶します。
かつての仲間であるソロモンを裏切り、アル・サーメンとして反旗を翻したのです。
最期の時、ワヒードはソロモンに対して「何が正義なのか分からない」と語りかけました。
息子を奪った運命を受け入れることができなかった彼の苦悩が表れています。
ヴァレフォールらの攻撃からファーランを守り、「神」と共に奈落に囚われた息子のルフを探しに行けることを喜びながら逝きました。
その結果、ワヒードの黒ルフが「黒の神」を地上に引きずりおろすことになり、アルマトランの崩壊へとつながっていきます。
アリババとの100年の修行
ワヒードの物語は死後も続きます。
アリババが精神体の状態で異空間をさまよっていた際、ワヒードと出会うことになります。
ワヒードは「黒の神」の内部で、テスやセッタたち同胞と共に無為に過ごしていました。
精神だけの存在となって迷い込んできたアリババに対し、ワヒードはイル・イラーやダビデ、「黒の神」についての情報を教えます。
さらに、女性とつきあったことのないアリババに同情し、なんと100年という長い時間をかけて魔法の指導を行いました。
修行の成果として、ワヒードはアリババに埴輪の人形の体を与えています。
この100年の修行がなければ、アリババはその後の戦いを乗り越えることはできなかったでしょう。
アリババが「死者のルフが帰る場所を一つにする」と宣言した時、ワヒードは離れ離れになっていたファーランに会えるかもしれないという希望を持ち、笑顔で彼を見送りました。
ワヒードの名前の由来
『マギ』のアルマトラン編に登場するキャラクターの多くは、アラビア語の数字が名前の由来になっています。
ワヒードの名前は、アラビア語で「1」を意味する「واحد」(ワーヒド)が由来とされています。
また、「وحيد」(ワヒード)という形容詞には「独り」「唯一無二」といった意味があります。
この名前には、家族を失い孤独になったワヒードの運命と、それでもなお唯一無二の存在として物語に影響を与え続けた彼の存在意義が込められているのかもしれません。
ちなみに、息子のテスは「9」(تسعة)、仲間のセッタは「6」(ستة)、イスナーンは「2」(اثنان)が由来です。
アルバの名前も「4」(أربعة)から来ており、アルマトラン編のキャラクターには数字に関連した名前が多く見られます。
まとめ
ワヒードは『マギ』アルマトラン編において、物語の根幹に関わる重要なキャラクターです。
ソロモンの抵抗軍として戦った英雄でありながら、息子の死という悲劇によってアル・サーメンへと転じた悲しい運命を背負っています。
しかし、死後もアリババに100年もの修行をつけるなど、最後まで物語に大きな影響を与え続けました。
豪快で好戦的な性格の裏に、家族への深い愛情を持つワヒード。
彼の生き様は、『マギ』という作品が描く「運命」と「選択」というテーマを体現したものといえるでしょう。

